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気になっているカップル修復サービス5選

「夫婦関係の改善」を考えたとき、もっとも効果が高いのはカップルセラピスト(臨床心理士)によるカップルセラピーだとぼくは思っています。

だけど、費用はそこそこかかるし、日々の生活は忙しいし、パートナーが同意してくれないこともありますよね。

そんなとき、いつもどうしてますか?

ネットで「夫婦関係 改善」、「夫婦関係 再構築」、「夫婦 会話」、「妻 無視」、「夫 話さない」などと検索してませんか?

そのようにググってもいい情報にたどり着くことはなくて、離婚弁護士や探偵事務所のサイトばかりがヒットしますよね。

今回はぼくが気になっている夫婦関係改善のためのサービスを五つ紹介します。もし、興味があるものがあれば試してみてください。

夫婦が本音で話せる魔法のシート「◯◯家作戦会議」

これをパートナーが書いてくれるなら、これで十分だと思う。内閣府 男女共同参画局が作成した「夫婦が家族を運営するためのシート」。無料でダウンロードできます。

https://www.gender.go.jp/public/sakusenkaigi/pdf/sakusenkaigi.pdf

ホームページを見ると、「パラレル家事」や「家事シェア」など、聞き慣れた言葉が。これはもしや……。

やっぱり、家事シェア研究家 三木智有さんが監修されていました!

三木さんのnote:https://note.com/tomoari_miki/n/nc442d411d768

三木さんには夫婦関係学ラジオにご出演いただいてから仲良くさせていただいており、いつも刺激をもらっています。

このシートでは、夫婦がお互いの本音をさらりと伝えられるワークもあり、ここが一番のポイントかなと思っています。素直な気持ちってなかなか直接言えないですよね。シートを使えば嫌味なく、喧嘩にもならずに伝えやすくなります。

それから、パートナーが実は負担に思っていることを発見できるワークも好き。相手が家事をしてくれるのは嬉しいけど(そこじゃないんだけど……)と思うときってありますよね。これって相手に悪いから直接言いにくいんですよね。うちもそうです。

こっちとしては(早く言ってよ!)と不信感につながるし、相手としては(申し訳ない)と罪悪感を感じさせてしまう。


仕事、家事、活動(プライベートとか)の三つを網羅しているので、基本的な話し合いには十分に使えます。

さらに突っ込んだトピック(たとえばセックスの頻度とか)をもっと話したいときには、世帯経営ノートがおすすめ。ぼくらもこれを使ってました。

世帯経営ノート・夫婦会議ノート

子どもが生まれる、教育に悩む、セックスレスに悩む、祖父母や親が老いる。年を重ねるほど、ぼくらの悩みは深まっていきます。

ぼくも子ども(最初は双子でした)が生まれたばかりの時には働き方に悩み、保育園や小学校に入ればいじめ問題に悩み、家事育児分担や性の問題にも悩み続けてきました。

最近では祖母(認知症ですが超元気な93歳です)に胃がんが見つかり、手術するしないで慌ただしい毎日です。ちょうど昨日は祖母の病院の付き添いのため実家に帰ったばかりです。

まあ、悩みは尽きないですよね。そんな悩みが尽きない夫婦の味方が世帯経営ノートです。紙に書き出すのが好きな人や、セックスレスなど話題に出しにくいことを話したい人や、夫婦としての一体感を作りたい人に向いています。子どもがいる人にはすごくおすすめです。

子どもがいると、夫婦って話す時間がほとんどないんですよね。話すときは悩みを抱えていることが多いので、つい怒ってしまったりするし。

ぼくが世帯経営ノートを好きな理由は、落ち着いて取り組めること、相手を責める空気にならないこと(相手の意見を尊重しやすくなる)、そしてなによりも、妻の書いた字を何度も読み返すことで妻の気持ちがこちらに染み込んでくるからです。

ああ、こういう気持ちだったのかをしみじみと受け止められるんですよね。怒りの下にある柔らかな気持ちをシェアしやすくなるツールです。

実際に使ってみた記事はこちら。

葛藤を抱えやすい10個のトピックが網羅されているので、きっと話したいテーマが見つかるはずです。

産前・産後にズレが生じがちな10のテーマ「ビジョン、家事、子育て、仕事、お金、住まい、セックス、自由時間、美容・健康、人間関係(祖父母との関係など)」に的を絞って質問や例題を設定。夫婦を世帯の共同経営者に見立てた「世帯経営」という概念を用いて「わたしたちとして、どうするか?」を考えるキッカケをつくり、大切なことを前向きな気持ちで「対話」できる夫婦関係を育みます。

https://www.logista.jp/fufukaigi/setaikeieinote/

夫婦会議ノートというものもあって、こっちは自由にトピックを決めて書き出すノートです。子どもの習いごとによって妻の負担が増えてきたときに使いました。こちらはその時の記事。

このnoteで書いたけど、妻がやりたかったことは育児の分担調整なんかじゃなかった。

「あたしが疲れていることをわかってほしい」

妻が本当に望んでいることはそれだけだった。だから、育児分担のバランス調整を多少はしたけど、ほとんど変わってないです。

うちでは相変わらず妻の負担の方が大きい。だけど、ぼくがそれを忘れなければ日常の中で妻をケアしようという気持ちとアクションが生まれる。いざとなればバランス比率をぼくにかたよらせることだってできる。

いざとなれば、いつでもぼくらは協力し合える。

そんな信頼関係が生まれたのは、夫婦会議を通して妻の柔らかな気持ちを知れたからだった。夫婦会議ノートのリンクはこちら。

世帯経営ノート生みの親であるナガヒロご夫婦にも夫婦関係学ラジオにご出演いただき、熱い想いをお聞かせいただきました。世帯経営ノートや夫婦会議ノートに興味がある方はぜひチェックを。あと、パートナーに書いてほしいんだけど乗り気じゃなくて困っているという方にもおすすめの放送です。

ふたり会議

夫婦関係サービスのデジタルツールで知られているのが「ふたり会議」。最近、運営の株式会社すきだよは資金調達に成功しました。

https://x.com/yuka_atsuta/status/1846009747482529980

カップル向けサービスが資金調達するというのは大きな流れだなと感じていて、お金が流れることでサービスが加速し、カップルリレーションシップという市場が大きくなる可能性があります。

「ふたり会議」は、カップルや夫婦間の対話を促進し、関係性の悪化を未然に防ぐサービスです。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000053340.html


このように「ふたり会議」の目的は「カップルの関係性悪化の”未然”防止」にあります。そのため、提供しているサービスも関係性の「改善」というより、もうちょっとマイルドなものが多いです。イベント内容も共働きカップルのためや、新婚夫婦のためというもの。


試しに使ってみようとLINE登録しましたが、妻が忙しくてまだ始められていません。子どもがいると日々の生活が忙しくすぎてちょっとむずかしいですね。

このサービスは結婚したばかりとか、子どもがいない夫婦なら向いているかも。あと、もともとパートナーシップに強い興味のある夫婦とか。

妻がやってくれたら感想をニュースレターで送りますね。

もし、すでにふたり会議を使っている人がいたらコメント欄やXのDMで教えていただけると助かります。もしくは、こちらのGoogleフォームからもどうぞ。

https://docs.google.com/forms/d/1K4lHQsT4thTdC7mpbqoLEEvh0sCQdYFHR7BGV9Ft1bc

フタリノトリセツ・コトバム

夫婦関係がこじれる原因のひとつは「相手のことがわからない」こと。元々よく知らないまま結婚することもあるし、結婚や出産と同時に価値観が変わることもありますよね。

ぼくらも出産(最初は双子でした)を機にめっちゃ忙しくなり、相手の考えていることが分かりにくくなりました。悩まれている方のお話を聞いていても、「相手の考えがわからない or わからなくなった」という話は多いです。

そんな時に家電みたいに相手の取説があればいいのにって思いますよね。まさに、そのまんまの取説を作れるサービスがフタリノトリセツです。実際に使ってみた記事はこちら。

トリセツには「仲直りしたいとき」「不機嫌なとき」にどうして欲しいかを書く項目があったり、「苦手なこと」、「充電方式」、「安全上のご注意」についての項目もあります。

公開するのが恥ずかしいけど、ぼくの「仲直りしたいとき」と「不機嫌な時」はこちら。長めのハグをされて頭を撫でられたらもう十分です。


こういうことって相手に言えないですよね?ぼくも直接は言えないです。だけど、フタリノトリセツはいくつかの項目から選ぶだけなので簡単にできちゃいます。

デザインも固くないので、真剣にならずラフな気持ちでお互いを見つめ直しやすいです。無料ですし、すぐに終わるし、これならだいたいの夫婦は簡単にできるんじゃないかな?

ぼくのトリセツ全体図はこちらです。

コトバムというサービスはフタリノトリセツを運営するフタリノ株式会社が手がけている看板サービスです。言葉のアルバムということで、普段は伝えることができない素直な思いをパートナーに伝えることができます。


フタリノ株式会社ホームページより


ぼくは使ったことはないですが、フタリノ株式会社代表の清水愛さんにポッドキャストインタビューをさせていただき、詳しくお話をうかがいました。びっくりしたのが(今は違うかもですが)依頼者へのインタビューを清水さんご自身ですべておこなっていることです。

夫婦それぞれに長時間インタビューし、それを一冊の本にまとめる。インタビューだけじゃなくて編集時間もありますからね。かなり時間と手間がかかっています。

実際、インタビューさせていただいた日も清水さんは3時間くらいしか寝ていなくて、かなりの睡眠不足が続いていたようです。

なぜ、そこまでしてこのサービスを続けるのか?

夫婦関係学ラジオで掘り下げていますので、ぜひお聴きください。下の記事にリンクがあります。

清水さんのお話で印象的だったのは「相手に好奇心を持つこと」。他の方と話していてもこれは重要なファクターとしてよく登場します。

ぼく自身も妻や夫婦関係そのものに対して強い好奇心を持っているからこそ、関係性を改善できたんじゃないかなって思っています。

夫婦の問題に金をかけたくない人の心理

夫婦関係修復に役立ちそうなサービスをご紹介しましたが、いろんな方のお話を聞いていて出てくるのが、「夫婦の話にお金をかけたくない」と「夫が(妻が)やってくれない」というものなんですね。

これについて掘り下げますね。

「夫婦の話にお金をかけたくない」とはどういうことか?

そこには、夫婦という情緒的な存在に対して金銭サービスを介させる嫌悪感であったり、「そこまで(お金をかけるほど)自分たちは悪くなっていない」という思いがあったりします。

「夫婦関係のビジネス化」への嫌悪感については、内容がわからないサービスが多かったり、臨床心理士ではない民間カウンセラー(心理カウンセラーは資格ビジネスの格好の餌食となっており、心理学や臨床をアカデミックな場で学んでいないカップルセラピストを生み出している)があふれかえっている現状も原因かなと思っています。

たとえば風邪を治すなら病院に行きますよね?

でも、なぜなにも疑わずに病院に行くんですか?

病院の医療に対する信頼があるからですよね?

なぜ、信頼しているんですか?

医師は入学が困難な医学校を出なければいけない、国家試験に受からなければならない、臨床実習を積まなければいけない、といったことを知っているからですよね?

その辺のおじさんやおばさんが医者にはなれないこと知っているから、病院の医療の質を信頼しているはずです。

一方、夫婦の問題を扱うにあたっては、病院のように信頼と認知度の高い機関は存在しません。質の高い心理療法を提供するカップルセラピストは存在しますが、認知度が低いのが現実です。

そうなると、マーケティングは上手だけど質の担保がされていないサービスが増えていきます。そのせいで、多くの人は混乱するんです。いったい誰に頼ればいいのかと。

夫婦関係のような情緒的な課題を相談でき、かつ質の高い存在はなんなのか?

ぼくはカップルセラピーをアカデミックな場所で体系的に学んだカップルセラピスト(臨床心理士)だと思っています。ただ、いきなりそこに行くのに抵抗があるなら、今回紹介したフタリノトリセツのような無料サービスを使って、気持ちのシェアの練習をするのはありだと思います。

「夫婦関係のビジネス化」に関するもうひとつの課題は、夫婦が抱える「恥」の感情です。妻(夫)から嫌われている、浮気されている、離婚されそうになっている。そんな悩みを風邪と同じテンションで誰かに相談しにくいですよね。

「妻が不倫してて困っているんです」という話を「咳が止まらなくて困っている」と同じようには話せませんから。

恥の感情を自分で認識できず受け止められないと、「夫婦関係のビジネス化」への嫌悪感が生まれやすいのかなと思っています。

それから「(夫婦関係改善サービスを)相手がやってくれない」という課題は、やりたい側の柔らかな気持ちが相手に伝わっていないことが大きな原因です。

あなたは、なぜ、夫婦関係を修復したいと思っているのか?

今の関係において、あなたはどういった気持ちを抱いているのか?

どうなりたいと思っているのか?

話をするとつい喧嘩になる。本当に言いたかったことではなく、言わなくてもいいことを言ってしまう。心の表面にある反発的な感情を何倍にも増幅させてぶつけてしまう。

そんなこともあると思います。ぼくだってありました。

パートナーと一緒に夫婦関係修復サービスを受けたいのであれば、怒りの下にある素直で柔らかな気持ちを掘り起こし、大切にし、相手に伝える必要があるんです。それを相手が受け止めたり、相手の素直な気持ちを掘り起こすための次のステップとして、こういったサービスがあるのかなと思っています。

柔らかな気持ちを認識し、言語化し、受け止め合う。

それが夫婦関係の本質であると同時に、一番むずかしいところでもあります。ぼくがサービスを作るなら、そこにフォーカスしようと思っています。

と、こんな話を毎週金曜日にお届けする夫婦関係学ニュースレターでは書いています。

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