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オリジナル⑫別解エスキスとポイント

オリジナル⑫では基準階の大きさに縛りがあり(面積、レンタブル比)、コンパクトに計画したとしても廊下係数が小さくなる課題でした。資格学校の解説では「方針1:階またぎゾーニング」と「方針2:きつい廊下係数でも頑張っておさめる」という2通りの方法が示されており、解答例は方針2になっています。まず、根本的なことですが個人的な考えとして初学者が廊下係数1.3以下でうまくプランすることはほぼ無理だと思っています。そのため、多くの初受験の受講生は方針2で進んだ場合、何かしらの室面積またはエレベーターホールやトイレなどを犠牲にせざるを得なかったと思います。つまりプランが得意でない場合はこの解説通りに解くことは難しい、ということになります。一方、方針1はというと、こちらも難しい。解説では1階と2階合わせた廊下係数は1.3程度になるのでゾーニング破綻が起こらないようにすれば1階の店舗部門のいずれかを2階として計画可能とありますが、そもそも階またぎゾーニングを行う場合新たにコアが必要となり、この「1階と2階合わせた廊下係数は1.3程度」にはその新たなコアの面積が見込まれていません。いくら廊下係数の「廊下」部分に階段、EVが見込まれているとはいえ新たに加わる「オプション」分は考慮する必要があります。階段とEV、及びそれらのホールを考えるとワンフロアあたり50㎡、つまり1階、2階で100㎡程度は面積増を見込む必要があり、その面積を加えて1階、2階の廊下係数を出すと、1.23程度と、結局プランニングが難しい数字になります。多くの受講生は方針2を諦め、方針1で進めたようですが、それでもプランニングが苦しかったのはこのような理由があります。あるいはゾーニングを成立させるコアがない場合はプランはおさまるかも知れませんが、お分かりのようにゾーニング破綻しているプランでの合格はほぼ無理だということを考えればおさまっていることに意味はありません。

ではこのオリジナル⑫が綺麗におさまらない課題なのかと言えばそんなことはありません。「方針3」で解けば廊下係数は1階で1.35程度となり特に難しいプランではなくなります。以下、方針3について解説したいと思います。

※以下有料とさせていただきます。最後には別解エスキスを掲載しています。なお、全く同じ内容を「エスキスのコツ〜条件整理・試算①②③」に追記しておりますのでそちら購入済みの方は間違えて購入なさらないよう注意してください。

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