月を見上げた時(24/11/10)
そう、今日は月が綺麗だ。
白く輝いていて、それは、なんというか"白銀"というのはこういう色を指しているのだろうね。
きらきらとしていて、その、影の部分が薄ら暗くて、だけど、夜の暗さとは違う。なんにもない暗さじゃない。見えないけど知っている、そこにある月の姿を。
そう、月を見上げた時。
そんな白い輝きのことを考えるのは、真っ先に思い浮かぶその人のことを考えるよりずっと後。その人はきっと、うん。その人もきっと、月が綺麗だって思うはず、だから。
だからね、「月は好きですか?」なんて訊かなくていい。「月が綺麗ですね」と云って。それから、あなたは何を想うのだろうか、誰を想うのだろうか、って。そうしたら、きっとあなたは微笑んで、僕は月の輝きなんかどうでもよくなって。だって、この瞳にあなたしか映っていなくて。「僕は、あなたの事を思い出します」と。「あなたが隣にいるみたいだから」と。
もっといろんなことを話したい。だけど、何を話せばいいのだろうね。そうして、月を見上げる。あなたを想う。
今日は月が綺麗ですね。
ずっと綺麗だったって、思うよ。
この先もずっと綺麗なのだろうなって、思うよ。
夜空にそれだけしか見えなくなってしまうから、好きだよ。
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