shota imamura

1993|珈琲のある暮らし|服のデザイン|noteにて随筆|恋人の映る景色を撮るフォトグラファー

shota imamura

1993|珈琲のある暮らし|服のデザイン|noteにて随筆|恋人の映る景色を撮るフォトグラファー

最近の記事

不可思議/wonder boyという価値観

俺達の知る限り時間ってやつは止まったり戻ったりはしない、ただ前に進むだけだ。 不可思議/wonder boyというアーティストと、彼の綴ったPelliculeという曲。彼に初めて触れたのは22歳くらいの年明けのタイミングで、仄かに息を灯したことを覚えている。 語りかけるようなフレーズの友人とのエピソードから曲がはじまる。 久しぶり、どうしたんだよ髭なんか生やして 肌の色も真っ黒だしヒッピーみたいじゃんか 僕もいつのまにか大人になり、気がつけば彼の背中を振り返るようにな

    • ブラウンの映る窓際の景色

      ゆっくりと伸びをしてコーヒー豆を挽く、浅煎りの仄かな優しい香りに惹かれて朝を満喫するのは嗜好。さっぱりと目を覚ましたら机に向かう、整理しないとってそのままにしているものを崩さないように椅子に心をおとす。 ある日から僕の人生は一変して、それ以来季節は移り変わることをやめてくれない。映る景色や事柄も大きく変化を続けている、まだまだ成長期ということでしょうか。 さて久しぶりの記事になります、なにを書こうかなと想いを馳せながら撫でているのですが難しいですね。やはりブランクというも

      • キウイの種って花火みたい

        僕らの青春は日めくりのカレンダー。 襟と袖の窮屈さの肌に馴染む頃には、 もう月項の暦に流されてしまっていたり。 夏明けの蝉のような声で湿気た線香花火のよう、木枯れかけた新芽は花をつける。 あの日の夢はなんだったかな、 誰にも話していないから覚えていないけど。 僕らは今日もなにかを待っている。 時間ってやつは戻ったり止まったりしない ただ前に進むだけだと彼は謳っていた。 きっと彼が今も笑えていたのなら、 人が素通りする路上ライブとグラスの氷 きっと響くことはなかった。

        • 襟足は短めがすき

          想像してた未来はもっと頭上にあって、溢れるのは涙以外のなにかで。夢抱いた大人にはなれていなくて、愛想笑いにも慣れた青春の成れの果て。シンプルな生活、通帳と印鑑。繰り上がらない桁に四捨五入も忘れた。得意だった文学に縋るように書いた、こんな文章にも意味を与えたい。 文章と音楽、感性のリズム感。ありきたりを形容する研ぎ澄ました孤独が、路上に跳ねる飛沫になって靴についた。無知故に枯らした、頬の蛇口は明け方を知らずとも自然に泣き止んだ。詰まりきれないつまらなさ、現実は暮夜けない。され

          グラスの氷は溶けてしまって

          艶めいた珈琲色の溢れる肌に触れて、素直になれたり、捻くれたり、素直にさせられて思うことは珈琲はおいしいということ。 僕らはいつまでも待つ、縋るように燻るように灯火を求めて。希望的観測に打ち崩されないように、可能性の裏側に隠れてしまう。 カップに注いだ珈琲の水面には僕が映る。 そこには誰もいなくて、けれど確かに誰かを感じる。珈琲は不思議な飲み物だと思う。 失った時間は取り戻せないけれど、これ以上奪われてしまわないように靴紐を結ぶ。呆れるほどの無知も誰かを傷つけないよう、こ

          グラスの氷は溶けてしまって

          言葉や映えで伝えること

          言葉や映えで伝えること それはとても大切なこと。 例えばこの記事もそう 冒頭の書きだしから興味を誘い 読みやすい配置や言葉をならべて 伝えることへのプロセスを汲んでいる。 (これまでの)過去の記事を(みてみると)参考にもっと玄人向けというのか、(ある程度)文章を読み慣れた人(へ向けた)の綴りになっていると思う。 密度や質を意識して()内の言葉を見直し、省いたりリテイクしたり。(このように)僕の記事の書き方は本を読む人へ向けたものとなっている。 ここで僕の感性が捉える

          言葉や映えで伝えること

          変わらない景色

          震災の爪痕を隠すよう青のビニールは瓦礫を覆うそんな風景も懐かしくなり、街を歩けば暮らしの破片が散らばっていたあの頃から随分と変わった。 初めて死を感じたのはいつかと問われたら、僕はあの瞬間が浮かぶだろう。避難所から見上げた空は夥しさを纏っていて、ここは世界の終わりなのではないかとも思えた。僕はきっと生涯あの大地の表情を忘れられないだろう この部屋のベランダからは天守閣の思い出がみえる。いつも祖父に連れられて城下を散歩して、父親という記憶があまりない変わりに色褪せず記憶にあ

          変わらない景色

          信じたものひとつ手に

          通勤路にある硝子の窓の店、映る大きな焙煎機 に排煙管。普段は寄ることないコーヒーの店『AND COFFEE ROASTERS』飲めないのに格好つけて『おすすめはありますか』なんて似合わない音階で注文した一杯の珈琲に僕は惹きつけられた。 冴えない過去の肩書きばかり纏い、上を向けない契約社員だった僕の初めて触れた感動。『珈琲ってこんなにおいしいものなのか』と胸の炭酸が一気に抜けるような、琴線を揺らした香りを今でも鮮明に記憶している。 そこからは階段を下るように没頭していった。

          信じたものひとつ手に

          僕の好きな音楽

          #1TOCCHI / これだけで十分なのに 2018年にリリースされた1stアルバム「Life Record」より、心に沁みる共感性のあるLyricはどこか痛くも温かみを感じます。 なにをそんなに飽きずに毎日 やってんのかなって思うよ最近 元々誰になにを言われはじめた訳じゃなく なにも疑わず勝手にやってる 久々な友達に会えば訊かれる現状 音楽と答えればそれって食えんの? 食えるよ 少しのパンと珈琲は買えるし こんなLyricを書きながら満たす平凡 想像してた大人とは

          僕の好きな音楽

          夏埜スイとして

          夏埜スイは死んだ 彼はもうここにはいない クリエイターになりたいと 夏埜スイは産声をあげた 幾つもの葛藤があった 僅かな砂塵さえ積めずに 何一つ成せないままに朽ちて 幸せにできないからと 自分から別の道を選ぶように 卑屈さから逃げるように 誰にも知られない場所を求めて 新しいアカウントでまた一から なんてクソみたいな考えも過った 結果として、 夏埜スイは死んで僕に還った 僕というアカウントは人間らしく汚くて クソがつくほど未熟で到らなくて 映えも微塵もないような

          夏埜スイとして