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7/14 ペプシコ、デルタの決算からインフレを感じる

こんばんは、アトレです。さてCPIとPPIが過ぎ、「インフレは去った」「利下げの準備だ」というような声が大きくなってきました私がTwitterに投稿したように、来月からCPIは落ちにくくなります。しかし、本当に急激にインフレが低下している場合、CPIの更なる下落もあり得ますので、今日は今後のインフレ動向について、決算が出たばかりのペプシコの決算から占います。

売上:予想217億ドルに対して223億ドル(前年比で+10%)
EPS:予想1.96ドルに対し2.09ドル(予想に対し+6.6%超)

しかも年間売上高と収益を上方修正(2度目)。最大の要因は値上げを実施し、原料、人件費などのコスト増をカバー。収益増に繋がった。ただし、米国では低所得層を中心に、物価高に耐えかねて日用品、食料品などでプライベートブランドなど低価格の商品への切り替えが進んでおり、ペプシコはこのQ2の決算では販売量をわずかに減らした事も明らかになっています。
ペプシコは値上げでこれに対処しており、平均で15%の値上げを実行し、販売量が減る事に対し、値上げしても買ってくれる層からの支持で収益を確保している構造。

気になるのは値上げによる販売量の減少。
食品系で3%減、飲料系で1%となっており、値上げによって消費者から敬遠されている部分もある模様。


引用元:ペプシコ決算書

これを見ると、右側の24weeks ended(6か月間合計)に360億ドル(2022年)から402億ドル(2023年)に伸長しているのが分かる。因みにこの間、販売の数量は横ばい~微減という状態にも関わらず、売上がこれだけ伸びているのは15%という大きな値上げが理由であり、商品が人気を博して売れているわけではないことが分かる。つまりは、値上げしても消費者がそれを受け入れる余力があった事が明確に示されている

注目は下の方の赤枠で、販管費が139億ドルから157億ドルに上がっている事が分かる。販売された商品の総量は減っているのにである。この販管費というのは人件費、宣伝広告費、販売に関する顧問契約費用、出張費、交際費、通信費などが含まれており、この項目が上がっているという事は単純に上述の費用が高騰(インフレ)しているからと考えるのが自然である。

つまり、、、
シンプルにペプシコの経営状態としては、物が売れにくくなったので値上げで収益を確保し、上がった収益で人件費などのコスト増に耐えている構図になっており、インフレのスパイラル(人件費が上がる→購入する商品価格が上がる→人件費が上がる)の中にいると思われる。

次に、デルタ航空の決算書を見てみましょう。先ほど同様に赤枠にご注目ください。

引用:デルタ航空決算書のP/Lの一部

上の赤枠はPassenger とCargoと記載があります。これは航空用語で旅行者と物の輸送を分けて記載してあります。Cargoとは旅行者用の座席が無い航空機で貨物専用機の事です。つまり、企業が貿易する際に、船では運べない商品や船より早く運びたい商品の場合にAir便(航空便)が使用されるのですが、2022年と2023年を比較した際に、かなり金額が落ちているのが分かります。Passengerの方は増えている代わりに、Cargoが減っているのはそれだけ世界の物流が減っている事を指します。この事からやはりモノを作る製造業は芳しくないことが分かりますね。

次に下の赤枠を見ると給料が急増していることが分かります。デルタ航空の22年Q2の売上と23年Q2の売上は12%増加している事が分かりますが、その間で給与はなんと25%増加している事が分かります。つまりは給与を上げないと従業員が維持できない環境が透けて見えます。
この科目についてはペプシコ同様、販管費が多くなってしまっており、更なる値上げを生みやすい構造になっているかと思います。

これらの決算書情報から、インフレはまだ継続基調ではないかなと私は思います。

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