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2025PGAツアー ソニーオープン・イン・ハワイ
1.日程及び会場
〇日程 2025年1月9日~12日
〇会場 ワイアラエCC(ハワイ州、オアフ島)
〇全長 7044Y(Par70)
2.結果
優勝 ニック・テイラー -16
(今季初優勝、PGAツアー5勝目)
2 ニコ・エチャバリア -16
※1、2位はプレーオフ
T3 J・J・スポーン -15
T3 シュテファン・イェーガー -15
5 エリック・コール -14
3.二転三転の優勝争いの中、”プレーオフの鬼”が本領発揮しフルフィールド初戦を制す、ニック・テイラー
3日目以降に吹いた強風で思わぬ展開となった今年の大会でした。
最終日首位と2打差でスタートしたニック・テイラーが、1イーグル5バーディー2ボギーの5アンダー65で回り16アンダーでフィニッシュ。
同組のニコ・エチャバリアも8バーディー3ボギーの5アンダー65で回り、こちらも16アンダーでフィニッシュしました。
その後このスコアを超える選手がいなかったため、勝負は2年連続でプレーオフまで持ち込まれることに。
プレーオフ2H目の18H(Par5)、ティーショットをフェアウェイ左のバンカーに打ち込み、セカンドショットをグリーン手前46Yのフェアウェイに残したテイラーに対し、エチャバリアはセカンドショットでグリーン奥12mにツーオン。この時点ではエチャバリアが優勢でした。
しかしサードショットでテイラーはピン左横80cmにつけてエチャバリアにプレッシャーを与えると、エチャバリアは動揺したか3パットのパーで終わり、バーディーパットを決めたテイラーが今季初優勝を挙げました。
〇劇的だった、テイラー本割の最後
最終組のスポーン、イェーガーの鍔迫り合いしている中、本割の最終ホール(18H)でテイラーは見事なサードショットを放ちます。
ツーオンを狙ったのがグリーン左奥にこぼれ、残り20Yのチップショットが何とカップに吸い込まれイーグル。
40年以上前、日本人選手初優勝を挙げた青木功のイーグルを髣髴とさせるようなものでした。
〇3年連続プレーオフで優勝達成
Nick Taylor earns his fifth PGA TOUR win in his 284th start.
— PGA TOUR Communications (@PGATOURComms) January 13, 2025
He improves to 3-0 in playoffs with each of his last three wins coming in a playoff:
2025 Sony Open in Hawaii
2024 WM Phoenix Open
2023 RBC Canadian Open
テイラーはこの3年で、毎年プレーオフに進出しています。そして3年ともプレーオフに勝っています。
一昨年はカナディアンオープンでトミー・フリートウッドを4Hのプレーオフで、昨年はWMフェニックスオープンでチャーリー・ホフマンを2Hのプレーオフで破り優勝しています。
そして今年もエチャバリアを2Hのプレーオフで破り、3年連続でプレーオフに勝ち優勝するという”勝負強さ”ぶりを発揮しました。
プレーオフに絶対的自信を持つテイラー、対戦相手は苦手意識を持つことは間違いありません。
4.日本勢について
〇”最低限”のハワイ2戦目、松山英樹
開幕戦のザ・セントリーで記録的な優勝から今大会に臨んだ松山英樹。
しかし同じハワイで優勝したコースとはいえ、状況が少しでも変わればなかなかうまくいかないことは本人も承知の上。
それでも最終日は2つあるPar5で共にイーグルを奪い、トータル11アンダーの16位でハワイ2連戦を終了しました。
次戦はファーマーズインシュランスオープンに出場エントリーを済ませています。
〇この経験を糧にいよいよコンフェリーツアーへ、平田憲聖
主催者推薦で2年連続出場となった平田憲聖。
第2ラウンドでは4連続バーディーを含む7アンダー63をマークし、第3ラウンドでは最終組に入る貴重な経験をしました。
残り2日間は強風下でのラウンドとなりましたが、そこにも耐えることができトータル10アンダー21位で大会を終了しました。
昨年のQスクールで獲得したツアーカードを手に、コンフェリーツアーに出場するためバハマへと旅立ちます。
〇”PGAツアー1年生”3人ともほろにがスタート
いろいろなルートから進んだ”PGAツアー1年生”3人、気持ちを引き締めてのデビュー戦となりましたが、ほろにがのスタートとなりました。
カットラインに2打足らず大西魁斗、金谷拓実がコースを去り、星野陸也は4打足りませんでした。
昨年久常涼が味わった”PGAツアー洗礼”、スタート時間が早かったり遅かったりで自分のコンディション作りがよりシビアなものになり、サスペンデットをもろに食らうことも当たり前という状況。
先輩たちはこの”洗礼”を受け、ツアーカードを保持してきました。
これから米国本土の戦いが本格化すると、よりその”洗礼”が強いものとなっていきます。
コース・環境などすべてのものがこれまで戦ってきたツアーとは違うギャップをいち早く対応させていくことが肝要です。
5.哀悼、グレイソン・マレー
Forever a champion.
— PGA TOUR (@PGATOUR) January 12, 2025
One year ago, Grayson Murray claimed his second PGA TOUR victory. pic.twitter.com/ZVs8jvWTER
昨年3人によるプレーオフで先にバーディーを奪ったグレイソン・マレーが久々の優勝を挙げました。
それから4か月後、チャールズシュワッブチャレンジ2日目開始前に棄権した後、自ら命を絶ってしまいました。
突然の出来事に動揺してしまったことは、言うまでもありません。
ディフェンディングチャンピオン不在の今年、開幕前にはマレーに対する哀悼式を厳かに行いました。
今大会は選手並びにキャディの帽子に喪章代わりのバッチを付け、ピンフラッグには赤黒のリボンが描かれています。
改めて、マレーの冥福を祈ります。