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DPワールドツアー、2024シーズン終了

 17日にDPワールドツアー選手権が終了し、44試合にも及ぶ2024シーズンが終了しました。


1.3年連続6回目の戴冠を、最終戦3回目の優勝で飾る、ロリー・マキロイ

 かつて自分がスポンサーをしてくれた、ジュメイラ・ゴルフ・エミレーツ(7706Y、Par72)で行われたDPワールドツアー選手権。
 最終日トップタイでスタートしたロリー・マキロイが、出だしでいきなり躓くも4連続バーディーを奪い試合の主導権を握ります。
 その後は同じ最終日トップタイのラスムス・ホイゴーに並ばれるも、16H(Par4)のセカンドショットをピン手前30cmにつけ勝負あり。

 最終18H(Par5)もバーディーとし、6バーディー3ボギーの3アンダー69で回り、トータル16アンダーで本大会3度目の優勝。その結果3年連続6度目のレーストゥドバイ年間王者に輝きました。

 年間王者(賞金王)に6度輝いたマキロイ、スペインの英雄セベ・バレステロスに肩を並べました。

 その後の表彰式で愛娘・ポピーちゃんとトロフィーで成長を確かめるシーンが印象的です。

 6月の全米オープンでショートパットを2回外したことで、優勝をブライソン・デシャンボーにさらわれて以来、全英オープンではミスカット、そして10月のBMWPGA選手権でビリー・ホーシェルにプレーオフで惜敗し勝利から半年あまり見放されたマキロイ。
 この優勝が来シーズンへ希望の持てるものとなりました。

2.PGAツアー”昇格”10選手決定

 PGAツアーカードを持たない、レーストゥドバイランク上位10選手に来シーズンのツアーカードが与えられます。
 最終戦を終了し、10選手が決定しました

〇ラスムス・ホイゴー(デンマーク)
〇トリストン・ローレンス(南アフリカ)
〇ポール・ウォーイング(イングランド)
〇ジェスパー・スベンソン(スウェーデン)
〇ニコラス・ノガード(デンマーク)
〇マッテオ・マナセロ(イタリア)
〇トービヨン・オルセン(デンマーク)
〇アントニー・ロズナー(フランス)
〇星野陸也
〇トム・マッキビン(北アイルランド)

 ランク1位になったのは、本大会2位になったラスムス・ホイゴー。
 双子の兄ニコライは昨年の本大会で優勝し、一足お先にPGAツアーに今シーズン出場していました。
 これで弟ラスムスも兄と同じ舞台に立ち、PGAツアーでも珍しい双子の出場となりました。

 10代でセンセーショナルな活躍を見せるものの、その後なかなか日の出を見ることがなかったマナセロ。
 昨年のチャレンジツアー優勝で再び戻ってきたレギュラーツアーで、11年ぶりに優勝しその後もコンスタントな成績を残しPGAツアーカードを手にしました。

 そして10番目に滑り込んだマッキビン、北アイルランド期待の21歳。
 もちろんマキロイに憧れてプロの道に進み、来年一緒の舞台に立てることとなりました。
 そしてレーストゥドバイランク30位内に入ったため(18位)、来年の全英オープン出場権を獲得。しかも会場は母国・ロイヤルポートラッシュ。
 弟分・マッキビンの”大航海”が始まります。

 昨年から上位10選手にPGAツアーカードを与える制度が始まりましたが、その中でマチュー・パヴォンとロバート・マッキンタイヤがツアー初優勝を挙げる活躍ぶりを見せました(マッキンタイヤは2勝)。
 この10選手の中から来年、PGAツアー初優勝を挙げる選手が出てもおかしいことは全くありません。

3.日本人選手のまとめ

〇開幕ダッシュ”貯金”のおかげで、戦線離脱でもPGAツアーカードをゲット、星野陸也

 一昨年のジャパンゴルフツアー賞金ランク2位で昨年のDPワールドツアーにデビューした星野陸也。
 慣れない土地での戦いではあったものの、レーストゥドバイランク81位で今シーズンの出場権を獲得。
 昨年末に行われたオーストラリア2連戦でともに単独2位なり、これ以上ないスタートダッシュを切りました。
 オーストラリアオープンではプレーオフまで戦い、ホアキン・ニーマンに敗れはしたものの初優勝が待たれました。
 そして今年2月、コマーシャルバンクカタールマスターズで日本人選手4人目の日本人選手DPワールドツアー優勝者となりました。
 順調に進んできたのもつかの間、肺気胸にかかり一時戦線離脱。
 凱旋試合となるはずだったISPSHANDA選手権欠場を余儀なくされました。
 全米オープンから戦線復帰するものの、ゴルフ勘を取り戻すのに一苦労。
 それでも成績を残し続け、先日コンフェリーツアーでの大西魁斗に続く、来シーズンのPGAツアー出場を決めました。
 長身から繰り出される多彩なショットを武器に、大西洋を渡り舞台はアメリカへと移動します。

〇ルーキーシーズンでいきなり優勝、来シーズンは大西洋を一足飛び、中島啓太

 昨年のジャパンゴルフツアー賞金王で今年DPワールドツアーにデビューした中島啓太。
 デビュー戦でトップ5に入り順調な滑り出しを見せると、3月のヒーローインディアンオープンでは初日から首位を明け渡さない”ワイヤートゥワイヤー”で星野に次ぐ日本人選手5人目のDPワールドツアー優勝者に。
 全米オープンを終了した時点で、松山英樹に次ぐ世界ランク日本人選手上位2人目に入り、パリ五輪の男子ゴルフ競技日本代表となりました。
 しかしパリ五輪終了後腰痛にかかり、こちらも一時戦線離脱。
 それでもアブダビ・ドバイと続くプレーオフシリーズでは実力を発揮し、レーストゥドバイランク35位に入り、ルーキーシーズンを終えました。
 インドの優勝で2年間出場権を獲得、そしてグレードの高いロレックスシリーズにも出場できるため、スケジュールを調整しやすくなりました。
 得意の中東から来シーズンをスタートすると思われるので、久常、星野と続くPGAツアーでの道を歩きたいところです。

〇ISPSHANDA選手権”2度目”の優勝から掴んだ出場権、来シーズンは”自立”も問われる、桂川有人

 一昨年からジャパンゴルフツアーが主戦場となった桂川有人。
 その年のISPSHANDA選手権(欧州日本どっちが勝つかトーナメント)にツアー初優勝しました。
 翌年は大西と共にコンフェリーツアーに出場するも一時撤退、再び今年は日本からのスタートとなりました。
 4月に行われたISPSHANDA選手権、終盤のバーディーラッシュでツアー2勝目を挙げ、前回はジャパンゴルフツアー単独開催だったため得られなかったDPワールドツアー出場権をゲット。
 5月からは戦いの場を欧州に変更しました。
 しかし壁はそうとう厚く打ちのめされるものの、自身の課題点が見つかりステップアップの場には十分だった桂川。
 ジャパンゴルフツアーに出場できるもののこれをキャンセルし、すでに来シーズンを見据えています。
 9月にはDPワールドツアーを長年主戦場とし、日本人選手の精神的支柱だった川村昌弘が、手首の怪我を理由に戦線離脱。
 自分の事もそうですが、中島と共に今後ジャパンゴルフツアーから来る日本人選手の面倒も見なくてはならなくなり、”兄貴分”を発揮しなくてはならなくなりそうです。

 DPワールドツアー選手権が終わり、来シーズンがオーストラリアから今週開幕します。
 カズマ・コボリ(ニュージーランド)、ディン・ウェニー(中国)などまたまた期待の選手たちが入ってくるDPワールドツアー。
 楽しみが終わりません。

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