2024PGAツアー アーノルド・パーマーインビテーショナル プレセンデットバイ・マスターカード
1.日程及び会場
〇日程 2024年3月7日~10日
〇会場 アーノルド・パーマー ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)
〇全長 7466Y(Par72)
2.結果
優勝 スコッティー・シェフラー -15
(ツアー通算7勝目)
2 ウィンダム・クラーク -10
3 シェーン・ローリー -9
T4 ラッセル・ヘンリー -7
T4 ウィル・ザラトリス -7
T6 サティス・ティーガラ -5
T6 ブレンダン・トッド -5
T8 アン・ビョンホン -4
T8 アンドリュー・プットナム -4
T8 エミリアノ・グリジョ -4
T8 マックス・ホマ -4
3.パットが決まれば鬼に金棒、スコッティー・シェフラー今季初優勝
圧巻の強さでした。
トップタイでスタートしたスコッティー・シェフラーが最終日6バーディーノーボギーの66をマークし、トータル15アンダーで今季初優勝。
ツアー通算7勝目を挙げました。
〇マキロイに感謝、パター交換が吉に
抜群のショット力を持ちながらも、懸念点であるパッティングで好スコアがなかなか出ないシェフラーが、大会前時に使用していた名工でもある、ローガン・オルソンのパターから用具契約をしているテーラーメイド・スパイダーツアーエックスパターにスイッチしました。
すると今まで苦痛しかなかったパッティングが、バミューダのグリーンにもフィットしたのか決まりだし、無双状態となりました。
特にロングパットが決まれば、同伴競技者も呆れるしかありません。
ジェネシスインビテーショナルでマキロイとパッティングについて談義してましたが、結果が出たことでマキロイに感謝したことでしょう。
特筆すべきは、今大会15フィート(4.5m)以内のパットが16回ありましたが、全て決まった点です。
〇フロリダ3勝目、この時期が大好き
一昨年この大会に優勝し世界ランク1位になり、その余勢でマスターズを制しました。
昨年もプレーヤーズ選手権に優勝し、そして今年2年ぶりの優勝。世界ランクNo.1で優勝するのはタイガー以来とのこと。
フロリダと春が大好きという”長所”をいかんなく発揮しました。
次週のプレーヤーズ選手権は連覇がかかる一戦。勿論優勝候補の大筆頭は間違いなしです。
〇マスターズ優勝の大本命、LIVゴルフに立ちはだかる一枚岩
世界ランク及びフェデックスカップも首位に立ち、盤石な位置をゆるぎないものにしたシェフラー。
ゴルフファンもマスターズの話を始めるようになりましたが、こちらも優勝候補の大本命は揺るぎません。
LIVゴルフに移ったラーム、ケプカ、そして今年好調のニーマンがいようとも、PGAツアー”代表”として立ちはだかるでしょう。
4.後続選手はスコアの守り合い
シェフラーが快調にスコアを伸ばす中で、2位以下の選手はスコアの守り合いとなりました。
もともと難しいコースセッティング(粘っこいラフ、効果的なウォーターハザード、硬いグリーン)に選手達が苦悩する格好。ボギーやダブルボギーなどは当たり前です。
終わってみれば優勝のシェフラーと2位クラークに5打差がついた格好となりました。
5.短いパットが致命傷に、松山英樹
3日目を終了し首位と2打差で迎えた最終日。
フロントナインのPar5(4H、6H)でスコアを伸ばせなかったのが影響したか、8H(Par4)で短いパーパットを外したのが致命傷となりました。
13H(Par4)も短いボギーパットを外し、ここでこの大会万事休すという格好となりました。
〇忘れられない「3・11」
現地では翌日3月11日、東日本大震災から13年が経過。
前年にアジアアマチュア選手権に優勝し、マスターズの出場権を手にしましたが辞退も考えました。
しかし地元の後押しもあり出場を決意、そしてローアマのタイトルを獲得しました。
あの「3・11」から現在の松山があります。
6.雑感
〇ファウラー、パーマーを”トリビュート”
リッキー・ファウラーはパーマーを”トリビュート”した、プーマのゴルフアクセサリーを今大会は使用します。
緑を基調とし、赤・黄・白のラインの入ったキャディーバッグ。帽子とウェアには傘のロゴ。そしてシューズにもたくさんの傘。
偉大なレジェンドに敬意を表す格好です。
〇カットラインの攻防戦
アーノルド・パーマーインビテーショナルでは独自のカットラインを採用しています。
「50位タイまで並びに、首位から10打差以内の選手は第3ラウンドに進める」
2日目終盤に差し掛かり、シェーン・ローリーが7アンダーでホールアウトしました。
これにより2オーバーまでの選手50人以上いたのですが、首位から10打差以内ということもあり、3オーバーまでの選手が第3ラウンドに進める状況でした。
そんな中ブライアン・ハーマンが17H(Par3)でバーディーを奪い8アンダー、2オーバーがカットラインになり最終18H(Par4)まで分からない状況となりました。3オーバーで終わった選手は、気が気でない状況です。
しかしハーマンが最終ホールでボギーを、7アンダーでホールアウトし再びカットラインが3オーバーに。
その後7アンダーを超える選手はなく、カットラインは3オーバーに決まりました。
5オーバー(53位タイ)には6選手がいて、もしハーマンが8アンダーでフィニッシュしたら、と思うとゾッとしたことでしょう。
〇ボールが動いた動かないで物議
事の発端は3日目18H(Par4)、ウィンダム・クラークのセカンドショットでした。
深いラフの中に入ったボールに、ウェッジをソールしたときにボールが動いたのではと見られる映像が流れましたが、大会の競技委員はボールは動いていないと判断し、無罰で終わりました。
しかし中継を担当したゴルフチャンネルの解説を担当する、ブランデル・ チャンブリーはボールが動いたのではないかと指摘しました。
先日もジェネシスインビテーショナルで、松山のアプローチでボールが動いたんじゃないかということがあり、映像確認をする場面がありました。
注目組における”有名税”なのでしょうか、こういう動作が一度映像で流れるとルール違反じゃないかという指摘が、特に視聴者から多く寄せられるようになりました。
中継局にルール担当がいるので事なきを得ました。