見積に対する値下げ交渉の是非
こんにちは。あとつぎじぬおです。
つい最近ひょんなことからこちらの動画を見た。
全般的に価格交渉についての話だったが、興味深かった話に、「中国人は無茶ぶりな値下げをふっかけるところから交渉が始まる」という話があった。
僕はそういったことはしないし、すべきではないと考えているのだが、価格交渉についての自分のスタンスや考え方を改めて整理してみようと思う。
僕自身は地主で、日頃から向き合っている一番身近な価格というのは「不動産関係の工事見積」であるので、本記事では、それを対象とした話であるということを前提とした上で、読んでもらいたい。
値下げ交渉すべきか否か
まず、ざっくりとした質問になるのだが、皆さんは価格交渉はした方がいいと思うだろうか、それともしない方がいいと思うだろうか。
いや、その質問はそもそもおかしいだろう。と思った方は僕と考え方が似ている。
当たり前のことだが、価格交渉をする必要があるのかどうかは、提示された見積金額をこちらが出せない、もしくはその金額に納得していない時に限ると思うのだ。
つまり、値下げありきで話をするのではなく、その価格で問題ないのであれば、その金額で契約すればいいやん、という当たり前と言えば当たり前の話である。
常に値下げ交渉をするデメリット
僕は、日頃から不動産管理をしているわけだが、工事業者から出てくる見積に対して、やみくもに値下げを要求するということはまずしない。
その理由を伝えるために、次のような想定をしてみる。
仮に僕が業者の出してくる工事見積に対して常に値下げを交渉し、金額を値下げしてくれないと発注しない地主だったとする。
その場合自分が業者の立場だったらどういったアクションをするだろうか。
始めから、値下げ交渉されると分かっているのであれば、最初の提示額を上乗せするだけじゃないだろうか。
これが僕が基本的に、値下げ交渉をしない理由だ。
もし僕が毎度値下げ交渉マンだったとすると、業者が高い見積をふっかけてきて、それに対しこちらが値下げを求めて、業者が値下げに応じて、結果的にただ妥当な値段で契約することになるという茶番が起こる。
そこで、面倒くさがりな性格の僕はこう思う。
最初から妥当な金額で提示してくれればええやん。
出来レースの交渉いらんやん。
値下げ交渉をする場合とは
とはいえ、常に値下げを求めないというわけではない。ではどんな場合にするか。
①見積金額に疑問がある場合
そういったときは、相見積を取るなどして、元々の見積の妥当性を確かめる。
たまにこういったことをしていれば、業者は気が抜けず、ふっかけた金額の見積を出そうとは思わない。
見積を鵜呑みにせず、こちらも判断していますよ、という姿勢を見せておくことが大事だ。
②見積内容に疑問がある場合
この場合は、見積について突っ込んだ質問をする。
例)材料費が高いのではないか、人件費が高すぎないか、過剰な工事内容になっていないか、等
納得した回答が得られなければ、セカンドオピニオンを求めるなり、①のように相見積を取るなどして、見積の妥当性を確認すればよい。
これくらいしていれば、価格交渉的な話は十分だと思う。
逆にいうと、それくらいの信頼を築けている相手とのみ取引をしたいと思っている。
もちろんそうなるに至るまでには、いくつか仕事をしないと分からない部分も多いと思うが。
いずれにせよ、食い物にされがちな地主や後継ぎとしては、信頼のおける工事業者やコンサルティング会社は本当に大切な存在だ。
こちらが継続的なクライアントだからこそ、先方からしても大事にしなければならないという意識が生まれる。
こちらもよいサービスを受けた分、また発注しようという意識になる。
結果としてウィンウィンの関係を築くことができる。
とはいえ、世界は広い
ここまでの僕の意見について、一言前提条件を加えておくと、それは日本(主に関東)において、ということだ。
冒頭の中国の話の通り、おそらく世界では、日本よりもっとカジュアルに価格交渉し、カジュアルに価格が変更される世界があるのだろう。
しかし、僕が思うにそれは日本人のメンタリティとはそぐわないものだと思う。
多くの日本人が、もし値下げが通るのであれば、「じゃあ最初の価格はなんやねん」と思うのではないだろうか。
だから、価格交渉を仕掛けられたくもないし、仕掛けたくもない、というのが大方の日本人の考え方なのだと思っている。
もちろん、業界などによっては、価格交渉が盛んなところもあるかもしれないし、契約金額が大きいケースでは、減額の交渉がしやすい部分はあると思う。
しかし、基本的な日本人同士の交渉では、という話である。
だから、僕は今は価格交渉は最低限、もし必要であれば明確に根拠を以て、というスタイルで見積には向き合っている。
でも、また僕も考えが変わるかもしれない。
そのときは、「前はこう考えてたのか」ってニヤニヤしながらこの記事を見てるかもしれない。
でもそれでもいい。
世界も変化し、自分も変化する。それが楽しい。
今回は価格交渉について書いてみました。ではまた。
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