「トリとロキタ」

https://bitters.co.jp/tori_lokita/

社会問題

ストーリーはシンプルで
今まで何度も語られてきた
移民問題、麻薬問題を軸に展開する。
それがまるで当たり前のように。
こうした事が特別な事でないということが当然問題であるわけだし
何とも救われない内容の物語になっている。
そして
仮の姉弟であり友情で結ばれている
トリとロキタを演じる主役の二人が
ともに役者としては素人であったということが逆に真に迫る世界を醸し出している。

ただ、
そうした作品ではありながら
監督のこの言葉を読んで救われた気がする。
「この映画は、美しく激しい、決して裏切られることのない、
ある揺るぎない友情についての物語です。」

さて
監督は
ダルデンヌ兄弟として知られる
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌの二人。
日本での認知度は今一つかもしれないが
世界の映画祭では数多くの受賞を果たしており
特にカンヌ映画祭では複数回のパルムドール受賞をなしており
本作でも2022年の第75回記念賞を得ている。
特に初出品でパルムドール大賞と主演女優賞を受賞した
『ロゼッタ』は、
ロゼッタ : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/1870/
本国ベルギーではこの作品をきっかけに「ロゼッタ法」と呼ばれる青少年の
ための法律が成立するほどの影響を与えたということを記しておきたい。
映画は力にもなる。

そして最後にもう一つ監督たちの言葉
「 知らず知らずのうちに、私たちの国やヨーロッパに亡命
した子供たちが経験している、暴力的で不当な状況を告発するも
のとなりました。」


2023年3月31日 公開

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