「クレオの夏休み」

映画『クレオの夏休み』公式|7月12日(金)公開
https://transformer.co.jp/m/cleo/#

こういう愛の形、暖かさって好きだな。

パリで父親との二人暮らしの幼い少女クレオ。
母を亡くした彼女には一緒に暮らす乳母グロリアが大好き。
だがアフリカの島国出身のグロリアは事情があり母国に帰ることになる。
悲しむクレオをグロリアはバカンスの期間だけ自宅に招待する。
グロリアには島に残してきた実の子供たちがおり
ここで繰り広げられるそうした家族たちとの交流や
はたまた、クレオにしてみると
自分の愛を彼らに奪われてしまわないか、という幼い不安や葛藤が物語を筋立てる。

そして
このような心を洗われるような物語「家族」の関係に
「南北関係」というもう1つの問題が提起される。
舞台となるアフリカ北西部の島国「カーボベルデ」は
美しい島国であるとともにポルトガルの植民地であった歴史を持ち
未だに貧しく
グロリアはいわゆる経済移民として家族を島に残し
パリでの出稼ぎで島に残してきた家族の生活を支えていた。

ストーリーは
こうした世相的問題も内包しつつ
シンプルな乳母との愛情物語を軸に展開される。
そして場面転換ごとに、描かれる素晴らしいアニメ映像
これがまたこの作品の美しさを倍増させ品位すら醸し出す。
また
UPを多用したカメラワークも
それぞれの心の中を表わせているような効果をもたらし
ポイントになっている。


監督のマリー・アマシュケリは
1979年7月16日生まれのジョージア系フランス人。映画監督、脚本家。
共作の長編デビュー作『Party Girl』が2014年カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、カメラドールを受賞。セザール賞の最優秀長編映画賞と最優秀編集賞にノミネートされる。
本作『クレオの夏休み』が単独での初長編監督作となる。
自身が幼い頃にポルトガル出身の乳母に愛情ゆたかに育てられた実体験が本作制作のきっかけでもある。

主人公クレオ役のルイーズ・モーロワ=パンザニ
なんと!パリの公園で遊んでいたところを偶然キャスティングディレクターが見かけたことから主役に抜擢された。しかし、その純真無垢な演技?は目を見はるものですぞ。

アニメーション制作は
フランスで活躍するアニメーション作家・イラストレーター、ピエール・エマニュエル・リエ。
監督アマシュケリとの共作で、フレームひとつひとつに手作業でブラシを用いたペイント方法で、絵本のような温かい世界を表わしている。

2023年カンヌ国際映画祭<批評家週間>オープニング作品

2024年7月12日 公開

PS
島国カーボベルデ
行きたくなった!

いいなと思ったら応援しよう!