「サハラのカフェのマリカ」 2 極楽試写会/コラムンの犬 2022年8月26日 18:41 映画『サハラのカフェのマリカ』https://sahara-malika.com/僕はこういう映画は好きです。人によっては異論が多いと思いますが、でも、僕はこういう作品は好きです。サハラ砂漠を通る主幹道路の脇のカフェを一人で切り盛りする年老いた女主人「マリカ」。彼女のもと、店を訪れる、多彩な人々との交流・・・思わず引き込まれてしまう不思議な世界がそこにある。それは作品解説にある「アルジェリアで誕生した21世紀の”バグダット・カフェ”」このコピーがまさに言えて妙。ただし「バグダット・カフェ」は良い意味で作為的な作品であるのに対してこの「サハラのカフェのマリカ」はこれもまた良い意味で作為的ではない点が大きな違いではないだろうか。バグダッド・カフェ : 作品情報 - 映画.comhttps://eiga.com/movie/47884/監督は1986 年アルジェリア生まれの新鋭ハッセン・フェルハーニ僕はもちろん初めて出会う監督。彼の作品へのメッセージを読んで上記の違いの理由が判明した。その一部を引用する「・・・劇映画とドキュメンタリーの違いは何を重視しているのか。前者は撮る前に脚本、台本を書くが後者は撮ると同時に書いている、少なくとも私はそうしている。ドキュメンタリー映画では何がリアルかが物語を決める。私は何が現実かを追及するため、どうしてもフィクションが混じってしまう。『サハラのカフェのマリカ』では色んな観点から観たアルジェリアの現状を描いている。でも社会学的観点から映画を撮りたくないので、典型的な人物像は求めてはいない。私はあくまでも映画を作っているから。・・・」本作品で助演のチャウキ・アマリ、俳優、コラムニスト、風刺画家でもある彼はその著書である「Nationale1」の中でサハラ砂漠を描いていた。それがハッセン・フェルハーニの目に留まり共にこの地を訪れた際に偶然にも「マリカ」に出会った、というわけだ。こうした強烈な出会いが本作品を生んだ、ということが事実(ドキュメンタリー)。もう一点、マリカをはじめこの店を訪れる皆がイスラム教信者。彼らは事あるごとに神に言及する、そこでイスラム教の世界観が語られることで自分に多様性の意識を再認識させた作品でもあった。2022年8月26日 公開 #映画 #サハラのカフェのマリカ 2 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート