「ダム・マネー ウォール街を狙え!」

あけましておめでとうございます。
本年最初の極楽試写の紹介です。

映画『ダム・マネー ウォール街を狙え!』公式サイト - 2024年2月2日公開
https://dumbmoney.jp/

いつもの・・・ウォールストリート狂気の現実。
まずは案内資料からストーリーを抜粋で記す。
「2021年実際に起こったアメリカの金融マーケットの大事件。
大富豪、ヘッジファンド(※Ⅰ)が更なるもうけを画策するために空売り(※Ⅱ)していたある株を
ネット掲示板に集った小口の個人投資家たちがこぞって買うことにより、ヘッジファンドに大損害を与えた。
強欲なウォール街の大富豪に対して一般市民がSNSを通じて団結した反乱劇」
※Ⅰ:ヘッジファンド
ごく限られた富裕層や機関投資家を対象とした投資のシステムで多様な投資手法を駆使し、確実なリターンの運用を行う。
※Ⅱ:空売り
下がると見込んだ企業の株を、信用取引などを利用して“借りて売る”こと。
実際に下落した時点で買い戻すとその差額が利益になるが、逆に株価が上がると損失を被る。

監督のクレイグ・ギレスピー
オーストラリア・シドニーで生まれ。
CM監督として活動し、コメディ映画(Mr.ウッドコック 史上最悪の体育教師)ヒューマンドラマ(ラースと、その彼女)や、ホラー映画(フライトナイト 恐怖の夜)実話を基にしたドラマ(ミリオンダラー・アーム)、
アメリカのフィギュアスケート選手の波乱の半生を描いた『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』では、
主演のマーゴット・ロビーにアカデミー主演女優賞ノミネート、アリソン・ジャネイには同助演女優賞のオスカー受賞。

こうした実績のある監督による本作はエンタテイメント性の高い作品になっていて評価は高いと思う。

が、ここからは本作の出来という点ではなく、あくまでも背景としてのこの「株取引」を取り巻く騒ぎについての苦言を書きたい。
本作では
弱者(ネット掲示板に集った小口の個人投資家たち)が
悪(大富豪とヘッジファンド)に大損害を与え
痛快、正義は勝つみたいな描かれ方をしている。
ここで言いたい。
この事件、事実は決して「市民革命」のようなものではないのではという事だ。
本件、そもそも、小口投資家たちだって、株取引でバーチャルな利益を求めているわけで、
それは大小の違い話あれど、ヘッジファンド同様に「いわゆる濡れ手に粟」を追う同じ穴の人たちではないのか
ということだ。
どうしてもこの一点を指摘しておきたい。
僕はもともと株取引には否定的な人間だが、だからそうということではけっしてない。
昨今の日本を見回していても
実経済に関係なく株価だけが高まったり、ニーサとかいう投資を政府が促す動きがあったりと
そういう意味での警鐘を皆が自身に鳴らしておいた方が良いのでは。

だからといって、この作品の出来に関係するものではない、
十分面白い作品であることには違いはない。

2024年2月2日 公開

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