「ヒトラーのための虐殺会議」

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第2次世界大戦時の1942年1月20日
ベルリンのバンゼー湖畔にナチス親衛隊と各事務次官が収集され
「ユダヤ人問題の最終的解決」という名のもと
ナチス政権が1100万人のユダヤ人絶滅政策を決定した「バンゼー会議」が開かれた。
その全貌を記したアドルフ・アイヒマンが記録した議事録に基づいての映画化。

世紀の残虐行為がこのたったの90分で決定づけられた。
ヒトラーは参加していないし出てこない。
参加者全ての思考が正解を出すことではなく、総統への忖度で覆われいかにしてこの虐殺を成立させるのかに向かい
「最終的解決」という名のもと・・・その事実をオブラートに包んだ表現・・・決定された事実。
これはある意味、人間の弱さ、恐ろしさを描いた作品といえる。
そして
今のこの日本でも事の大小はあるが、
上への忖度と個々が持ちうる人間の弱さ、恐ろしさを
組織に属するがゆえに歯止めがきかずに暴走してしまうことは無かったのだろうかと
考えさせられる。

ただし、ここでも
「何故、ユダヤ人がここまで嫌われる、差別されるのか」
しかもかつてのドイツだけでなく、現代にいたる世界各地で、
その理由がこの作品でも語られていないし、私には依然謎のままだ。
作品中でナチス親衛隊が「われらが受けた被害の正当防衛」とこの虐殺を位置づけているが
それが何なのか、なぜなのかが、いまだにわからない。

場面は15名参加の会議室においてほぼ展開される。
ここで思い出したのが
同様の状況で展開される映画
ヘンリー・フォンダ主演の名作「十二人の怒れる男」。
片やファシストの上への忖度と狂気
片や民主主義と正義
を表現した全く正反対の作品なんだが
この作品を思い出させたのは
心の安らぎを取り戻すための本能だったのかもしれない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E4%BA%8C%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%80%92%E3%82%8C%E3%82%8B%E7%94%B7

2023年1月20日 公開

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