「屋根の上のバイオリン弾き物語」
ああ、そうだったんだ。
あの名ミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」
のバックストーリー、製作ドキュメンタリー。
不覚にも僕はこのミュージカルの監督に関してまったく知識がなく
というか
なんとなく見た当時このこてこてのユダヤ人社会を描いた映画の
バックグラウンドを見ることをあえて避けていたかもしれない。
そして今このドキュメンタリーを見て
「ああ、そうだったんだ」と心底思った。
「屋根の上のバイオリン弾き」の監督ノーマン・ジュイソン
驚くことにこの作品の前には
シドニー・ポワチエの「夜の大捜査線」
https://eiga.com/movie/50413/
その後に
「ジーザス・クライスト・スーパースター」
https://eiga.com/movie/45072/
更には
シェールとニコラス・ケイジの「月の輝く夜に」
https://eiga.com/movie/46847/
の監督だった。
全て僕のフェイバリット作品だ。
と並べると
実に芯が通った監督であることは明確だ。
「夜の大捜査線」黒人差別真っ盛りの南部アメリカを舞台にした黒人刑事のストーリー
「月の輝く夜に」ニューヨークのイタリア系アメリカ人の人間模様を描いたロマンティック・コメディ
「ジーザス・クライスト・スーパースター」はすばりそのもの
そして
「屋根の上のバイオリン弾き」ロシア革命前夜のウクライナにおけるユダヤ人社会の葛藤を描く
全てにおいてテーマに芯がありそれを見事に描いてきた監督であると。
本作の中では
「屋根の上のバイオリン弾き」の
音楽を担当した作曲家のジョン・ウィリアムズがこのミュージカルの音楽と映像をリンクさせる手法を
劇中歌「Sunrise, Sunset」を作詞したシェルドン・ハーニックがその意味を
その他本当に多くの逸話がこんなにも詰まっていたのかと驚かされる。
何よりも
監督のノーマン・ジュイソンが語るバックグラウンドが。
そして
「夜の大走査線」を公開当時に見た
ロバート・ケネディがノーマン・ジュイソンに直に語った
「大事なのはタイミング、政治もアートもそして人生そのものも」
・・・公民権運動を指示したロバートが彼にこう語った数日後、弾丸に倒れたという事実も。
2023年3月31日 公開