「ドリーム・ホース」 極楽試写会/コラムンの犬 2022年12月2日 13:03 https://cinerack.jp/dream/これぞ「娯楽映画」スカッ!とした。特にここ数作、紹介したいなと思える作品に出合わなかったので尚更か!?ストーリーはいたってシンプル。イギリス・ウェールズの片田舎で起こった、競走馬を育て成功させる事実に基づいた作品。生きがいというか、モチベーションというか、町全体がそういったことにとはかけ離れた空気に覆われた農園村。そうした彼らが求めたのは「欲しいのは、胸の高まり」。で、皆で競走馬を育て目標にまい進する、というサクセスストーリー。サイド面から少し:イギリスに関することを考えたり、見たり、楽しんだりする場合はそこに存在する階級社会という概念が持つ意味は大きい。僕たちにはなじみ薄いが。英国の競走馬の世界は貴族階級の場でありこの作品の舞台のウェールズでもそこに属するのであり物語は「農園で、農園階級の人々が育てた競走馬」が「貴族階級のもとにある光り輝くライバル」に打ち勝つところの意味が大きく、見る側もその踏ん張る姿に興奮するんだと。音楽にも触れておこう:キャサリン・ジェンキンスが本人役でウェールズの国歌を斉唱するシーンは圧巻。で、で、何よりも作品半ばで年老いた飲んべのおじいさんが、カラオケで歌うトム・ジョーンズの懐かしい歌「デライラ」。更にエンディングでは出演者やこの物語の本当の当事者まで加わっての「デライラ」の歌唱大団円。・・・・?何で?と思って改めて調べてみるとワカッタ。トム・ジョーンズは英国のエンターティナーだとは知っていたが、その実、ウェールズの出身だった。またこの曲は、なんと、浮気をした彼女(デライラ)を思い余って殺してしまう、という歌詞だった。で、なんで?と。ウェールズのヒーロー、トム・ジョーンズの曲ということは理解できる。しかし、興奮と熱狂で殺人までしてしまう歌を何故???で、僕はこう解釈した。雑学から、このデライラ(Delilah)は,聖書の「サムソンとデリラ」に登場するあの悪女デリラと同じスペルだということ。そう、デライラはデリラの事。古い映画「サムソンとデリラ」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%A9_(1949%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB)デリラに裏切られ怒りに燃えたサムソンが宮殿を破壊してしまうヴィクター・マチュアの姿はいまでも鮮明に記憶に残る、、、、がなんでこんな古い映画を知ってるのかって!?まぁね。で、彼ら(農園の人たち)はサムソンのそうした姿を知っていて自分たちの姿をそこに投影して、この歌を叫んでいるのではと。2023年 1月16日 公開 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #映画 #ドリーム・ホース