「ゴッドランド/GODLAND」

https://www.godland-jp.com/

デンマークとアイスランドの映画。

北欧好きの僕としては
それだけで魅かれてしまうの、
と書きつつ
デンマークもアイスランドの映画も
今まで見たことがなかったので
これが初体験、で、その体験は
十分すぎるほどの重さだった。

アイスランド
は第二次世界大戦前まで
長い歴史の中で周辺国の植民地で
最後は北欧の王国デンマークに支配されていた。※
この地にデンマークから若き牧師である主人公が教会建設というミッションで
辺境の村に送られるところから物語は始まる。
過酷な自然を乗り越え目的地を目指すだけでなく
領主国デンマーク嫌いのガイドとの対立、
事はそう素直には進まない。
自然の猛威:素晴らしい自然
神を愛する立場:地域的、民族的な偏見
それを象徴するかの如くの言語の溝(デンマーク語とアイスランド語は全く違うとこの作品で知った)。
これらが入り交じり
ストーリーとは一言で言い表せない多くの混沌、映像の世界をベースに
そこに
「人間」という神秘を見事に表現した。
・・・こうした内容が
一般的にポピュラリティーを得られるか難しいと思うが
観た後に心の中にドシンと重いものが残ることは確かだ・・・
と、
「何書いているの?意味わからなーーい??」
と批判されるのはわかるが
それしか言いようがないんだ、
「見ればわかる」という禁句さえ浮かんでしまう、です。

そしてそして
製作陣が揺るがずに作る視点を定めた結果だろう、
監督・脚本はアイスランド生まれでデンマークで育った気鋭フリーヌル・パルマソン、
2022年・第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されたほか、世界各地の映画祭で数々の賞を受賞した。
主演の牧師役にデンマーク系アメリカ人のエリオット・クロセット・ホブ
気難しいガイド役にアイスランド映画の名優イングバール・E・シーグルズソン
ともかく
監督はじめ皆僕には初顔だった、で、皆素晴らしかった。
特にイングバール・E・シーグルズソンには惹かれましたな!

※調べてみた:
13世紀以降はノルウェー(1262年 - )およびデンマーク(1397年 - )の支配下に置かれる。
デンマーク王国は1550年にアイスランドにルター派を強制的に導入。
1918年にデンマーク国王主権下の立憲君主国、アイスランド王国として独立(同君連合)。
第二次世界大戦でデンマークがナチス・ドイツに占領(北欧侵攻)。
1944年6月17日に共和国として完全な独立を果たした。


PS
私事だが
近々、北極に行くので、
アイスランドよりさらに北の北極点直近のスバールバル諸島、
この作品の映像はまた格別の思いが浮かんだのだと思う。

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