「人間の境界」 1 極楽試写会/コラムンの犬 2024年4月19日 17:35 映画『人間の境界』公式|5月3日(金・祝)公開https://transformer.co.jp/m/ningennokyoukai/映画を作る目的には何種類かあると思う。当然、エンタテイメントをするものがその主をしめることは確かだがそのほかに世に対して問題意識の提示や警鐘、啓蒙をも目的とするものも多い。そして、ある意味ジャーナリズムの観点から現在起こっている事実を世界に広く伝えることをそれとするものも。本作は「知っているようで知らなかった」悲劇の『事実』を私たちに伝えるという事を目的とし衝撃的事実を明白にしてくれている。ヨーロッパ各国ではシリアをはじめアラブ諸国やアフリカから多くの難民の流入が大きな問題となっていることはメディアで多く取り上げられているから、皆も認識しているだろう。それは移動の困難さや入国後の生活困窮にフォーカスされれいることが主である。もちろん、それはそれで大きな問題ではある。実はそれだけではないメディアでは伝えられていなかった、悲劇的事実があった。この作品がそれを私たちに伝えてくれている、それが映画の役割の大きな役割の一つだった、と。今もベラルーシとポーランドの国境ではポーランドへの亡命を望むもの、またはそこを通り過ぎ他のユーロ諸国への亡命を希望する難民たちでであふれている。しかし、ここでは、亡命受け入れどころか、通過するだけでも、両国軍により実は多くの命が奪われはてには、亡骸さえまるでごみのように、相手国へ投げ込みられるという現実的悲劇が行われている。もちろん、そんな場でも彼らを救おうとするボランティア団体の活躍も。ともかくこうした事実を映像物語として伝える本作の重みは、とんでもないレベルである。監督は、3度のオスカーノミネート歴を持つポーランドの巨匠アグニエシュカ・ホランド。本作では2023年ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員特別賞を受賞。2023年9月にポーランドで公開され、当時年間最高となる異例の大ヒットとなった。ただし、公開にあたってはこの事実が明るみに出ることを良しとしない政府による大きな圧力があったとのことだ。2024年5月3日 公開 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #映画 #人間の境界 1