「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩」 4 極楽試写会/コラムンの犬 2023年6月23日 13:14 映画『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』オフィシャルサイト2023年7/7公開https://carolofthebells.ayapro.ne.jp/国境とは、民族とは 国家とは本作のベースにある設定は本当に複雑。特に島国の私たちには、このような作品を見ないとわからないままだったことだらけ。この作品は現在のウクライナ戦争勃発前の2020年制作ということに尚更驚きが。内容に触れてしまうがこの設定の概要だけでも書かせてもらう。・舞台は第二次世界大戦前後の現ウクライナで当時ポーランド領のイバノフランコフスク・そこの複合住宅、この住宅の半分の持ち主はユダヤ人で娘二人と親子4人家族・半分は(多分ユダヤ人)でニューヨークに移民として移住ここを借りる家族・ポーランド人(夫が軍人)で娘と3人家族・ウクライナ人で娘と3人家族、父親がギター演奏、母親がピアノ教師、娘は声楽に長けている・この地を当初はソビエトが進軍してポーランド人の軍人である夫が連行され娘はウクライナ人家族に預けられる・次にナチスが進行しユダヤ人家族の両親が連行され、娘二人はウクライナ人家族に預けられる・ナチスの家族、息子と3人が元ポーランド人の部屋に越してくる・さらにナチスが敗北しドイツ人の子供がウクライナ人家族に預けられる、が・・・・・再びソビエトの占領下に、ウクライナ家族は追われる・そして最終的にこの3人の娘たちは1970年代のニューヨークで再開するという列挙するだけで回転渦のような設定だがよく考えて見るとこの地に限らず、世界各地で国境と民族と政治に翻弄されているこれ以上の現実があることに目覚めさせられる。タイトルでもあるミサ曲キャロル・オブ・ザ・ベルは映画ホーム・アローン(90)で歌われよく知られているがウィキペディアで調べると実は「ウクライナの民謡を元に、マイコラ・レオントーヴィッチュが1914年に編曲したシュチェドルィック(英語版、ウクライナ語版)に、1936年にウクライナ人作曲家ピーター・J・ウィルウフスキーが英語の歌詞を付けたもの」とあった。ラストシーン近くでシベリアに抑留されたウクライナ家族の母でピアノ教師である彼女が粗末なベッドの下にそっと隠し書いたピアノの鍵盤を指で押さえるシーンは見る側に悲劇と苦痛を、そして「音楽は勇気を与えてくれる」ものだと心から感じさせてもらった。監督のオレシャ・モルグネツ=イサイェンコは1984年ウクライナに生まれでテレビドキュメンタリーを中心に活動し本作が長編劇映画監督作品2作目とのこと。2023年7月7日 公開 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #映画 #キャロル・オブ・ザ・ベル家族の絆を奏でる詩 4