「オークション ~盗まれたエゴン・シーレ」

映画『オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ』公式サイト
https://auction-movie.com/

美術鑑賞の一つの方法として
「自分がその作品を買いたいかどうか、という目で見る」
という考え方がある。
この方法は鑑賞するうえですごく有効だと思って
僕は常にそうしている。
そもそも鑑賞する人の目の基準は千差万別で、何が正解なのかなんてないわけで
もちろん、自分の好みかどうかという見方はあると思うが
そこに「自分が買うかどうか」という尺度を加えると、自然鋭さを増す。
もちろん、実際に買う(買える)わけではないですよ・・・。

さて
僕はそもそも美術鑑賞が大好きで
(先日も東京都美術館で開催中の「田中一村展」に行って感動してきた)
映画でも美術品を扱ったものは前かがみで観ている。
その中で、サスペンスというか推理物というかで、すぐに思い当たるのが
「鑑定士と顔のない依頼人」
鑑定士と顔のない依頼人 : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/78310/

「黄金のアデーレ 名画の帰還」
黄金のアデーレ 名画の帰還 : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/81867/

特に「黄金のアデーレ 名画の帰還」は本作の題材エゴン・シーレの作品と
同じような運命をたどった
クリムトの代表作黄金のアデーレ」を巡るストーリーなので尚更。
2作ともぜひ配信でも見られると思うのでまだの方はお勧めします!

で、本作。
第二次大戦時、ナチスに多くの古典的、近代的な名画が略奪されたことは良く知られている。
そしてなかには(ヒトラーなどの個人的見解からか)現代美術作品は「退廃的」ということで
その多くが破棄され、または闇に紛れて行方不明になった。
その中にエゴン・シーレの名画「ひまわり」もあった。
そして2000年初頭に若い工員労働者の家でこの名画が発見された。
本作はこの事実をもとに作られたストーリーだ(この事実以外の内容はフィクション)。
パリのオークション競売人、もともとの権利保有者のユダヤ人一族、鑑定人、労働者階級の工員とその家族
様々な思惑を軸にした物語が
作品の展開を見ごたえのあるものにしている。
一点、主役の元妻で仕事の相棒役が女性弁護士との恋愛関係?のような描写があるが、
そこが何なのか、本作の中でどういう意味があるのか???よくわからなかった。
まっいいかぁ。

監督:パスカル・ボニゼール
主役:アレックス・リュッツ(小説家・映画監督・お笑いタレント)
元妻で仕事の相棒役:レア・ドリュッケール
とのことだ。

因みに
美術愛好家である僕ですが
嗜好は至ってコンサバです。
なのでエゴン・シーレは好きではありません。
なので買いたいとは思いません、買えるわけないですけどね。


2025年1月10日 公開

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