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精神疾患や性別違和は嘘じゃない



『夜のクラゲは泳げない』第8話くらいで途中離脱してしまっていたのだけど最近見返したら最後の2話がとんでもなく刺さってしまった。

第11話、不登校になって引きこもっていたキウイちゃんが地元のゲームセンターに勇気を出して訪れた時に昔の知り合いに遭遇してしまうシーン。

その時に出くわした知り合いから不登校のことや性別違和について悪口を浴びせられる。とはいえ彼らは悪気があると思っていない様子であるのだが、キウイちゃん、そして私にとってもアイデンティティに関わる問題なので真弓たちの悪口が私自身に向けて言われているようでとても苦しかった。

その中でも「多様性って流行ってるよな」という悪口がどうしても頭から離れなかった。勝手に流行りにしているのはメディアの方で、こちらは流行りに乗っているわけではなく自分の心に正直に生きていたら変だと言われるので隠して生きるしかなかっただけなのに。まるでそれが嘘かのように、流行りに乗っているだけかのように捉えてくる人がいる。

精神疾患や性別に関して他の人から見てそれが嘘だと思われたとしても、私の中には間違いなく苦しさがあるしそれは死ぬ理由にもなることを知っているから最近はぶれなくなってきたと思っていたんだけど、それが嘘だっていう意見を目にしてしまうと苦しくなる。それが嘘だったらどんなに嬉しいことかって思うくらいに「普通」の状態とかけ離れていることは辛くてしんどい。

抑うつ状態や意欲低下が続くとか希死念慮が消えない状態を外の人に向けて証明し続けることが精神疾患者のやるべきことではないよね。苦しい中で楽しめることもあるし、無理に心配させたくないから頑張って大丈夫なふりをしていることもあるのにその状態だけを見て精神疾患は楽するための嘘だなんて言われてもただただ苦しいだけだよね。精神疾患者を精神疾患者らしくさせたい人が一定数いることはとても残念でならない。

精神疾患だけじゃなくて性別に関しても、どうして嘘ついて得している人を防ぐために嘘ついてなくて苦しんでいる人が不利益を被らないといけないんだろうね、嫌なこと言われないといけないんだろうね。別に女風呂や女子トイレに入りたいわけでもない。ただ世間で用意されている性別に当てはめられた時にとても窮屈で苦しんでいるだけなのに。

とても苦しかったけどキウイちゃんがはっきりと言い返してくれたのでとても救われた。自分の心に素直に成長したその姿は社会との異和によってバカにされたり疎外されたりするけど、それでも自分のことが好きって言える姿を描いてくれてとても嬉しい。

第12話、歌う意味を見出せなくなった花音ちゃんが大勢の目の前で歌唱するシーン。恐怖を乗り越えて歌唱した花音ちゃんの姿は勇気をくれた。

私も社会に対して怖いことがあって今は立ち向かっている途中なので花音ちゃんのみんなが前を向ける理由になりたいという言葉はとても支えになった。これからも支えになるだろう。

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私たちはみんな社会との違和感を一つは感じているけどそれが一人一人異なった違和感だからこそ分かり合えず、傷つき、傷つけてしまう。そのズレは人それぞれ違うから社会の当たり前で苦しんだり、苦しめたりしているんだろうなと思う。それでもみんながこの社会にいていいんだって思えるようになったらいいなと願う。

社会は怖い。人と関わることは怖い。でも私たちは人と関わることを避けられないことがある。そんな時に一人でも自分のことを好きだといってくれる人がいれば頑張れる。孤独を感じた時はせめて私だけは私のことを好きでいようと思った。

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