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MIT SSAC2018に参加してみて

アメリカのボストンで開催されたMIT Sports Sloan Analytics Conferenceに参加しました。

旅費は情報学群持ちでした。学群長さん、事務の方に感謝申し上げます。

さて,この記事は大学に提出した報告書を少し編集したものです。ほぼコピペなので変な感じになっている箇所もあるかと思います。

MIT Sloan Sports Analytics Conference(MIT SSAC)ってなに?というあなたに日本スポーツアナリスト協会の引用を差し上げます。

(MIT SSACとは)スポーツ業界においてその重要性を増しているアナリティクスについて、チームオーナー、選手、強化・育成担当者、スポーツビジネス関係者・大学生ら多彩なスピーカーが集い、公開討論やプレゼンテーションを行う世界最大規模のスポーツカンファレンスである。
http://jsaa.org/news/2353/

日程表

2/22 MIT SSACハッカソン見学・会食

毎年行われるMIT Sports Sloan Analytics Conference(以下SSAC)のハッカソンでは、NBA・NFLのデータを使い5時間で分析結果を出すことが要求されます。

今年はNBAの選手とボールのトラッキングデータが参加者に配らました。

ハッカソンに参加するためには選考を通らなければいけないですが、一般部門・学生部門はともに倍率は高く、落ちる人も多いです(私も落選しました)。

ハッカソン自体のレベルについて、一般部門では経験豊富なアナリストが様々なライブラリを駆使していたが、学生部門はそうではなく、日本の学生アナリストでもそこそこ戦えるのではないかという印象を受けました。

夕食は日本からの参加者数名との会食に参加しました。スポーツの現場で解析をしているの方やスポーツビジネスの経営者からスポーツの市場についてのインサイトや後に記述する報告会のプレゼン発表をさせていただくチャンスを得ました。

2/23, 2/24 MIT SSAC

MIT SSACは世界最大規模のスポーツカンファレンスであり、今年はアメリカのボストンで開かれました。

2007年に始めて開催された当初はMITのキャンパス内での開催となり、参加者は175人だったが12年で3500人以上、オバマ前大統領までが参加する大きなイベントとなりました。

8トラック制となっており、以下のアジェンダから分かる通り非常に過密なスケジュールとなっていまです。私は赤で囲まれているセッションに参加しました。

参加セッションしたセッションの中から特に印象に残ったものについて詳しく記載します.

Wide Open Spaces: A Statistical Technique for Measuring Space Creation in Professional Soccer
– Javier Fernandez

各選手のスペースとボールの位置を変数としたピッチバリューを定義づけることで,選手の動きによって生まれるスペースを評価することができました.

Bhostgusters: Realtime Interactive Play Sketching with Synthesized NBA Defenses
– Thomas Seidl

ゴースティングというテクニックを使うことでタブレットに描いた自チーム選手の動き方に対する守る相手チーム選手の動きの自動生成を可能にしました。

Beyond Expected Goals
- William Spearman

Opta社が開発したExpected Goal指標を拡張させ、Off-ball scoring opportunities(OBSC)指標をつくり直接ボールに関わってない選手の評価を試みていました。

OBSCは試合のハイライトを抽出することもできます。

Major League Data on the Pitch: The Evolution of Analytics in MLS
- Devin Pleuler, Jeff Agoos, Luke Bornn, Ravi Ramineni, Angus McNab

ITバックグラウンドを持ち、現場で活躍するトップアナリストの対談でした。

彼らは自分たちの仕事をITとサッカーの仲介役であると認識していました。

The Beautiful Game’s Global Reach
- Jim Pallotta, Javier Sobrino, Charlie Stillitano, Kasey Keller, Grant Wahl

スポーツビジネスのトップの方がITの活用によってアドバンテージを作ることに関して喋ることが多くありました。MLSには選手の給料に上限があり,資金がITなどに流れやすい背景があります。

最先端のスポーツデータ解析技術をアメリカで学び、日本で広めることを目的に参加したため、多くの時間を研究発表と発表者とコミュニケーションを費やしました。

特に話をしたいと思っていたSimon Fraser大学教授のLuke Bornn 氏、FC Barcelona のJavier Fernandez氏、FC TorontoのDevin Pleuler氏の3名には事前にEメールやTwitter で連絡をさせていただき、カンファレンスで自分の研究や将来について意見を頂くことができました。

日本ではスポーツアナリストの多くのは選手経験を持つ元アスリートですが、アメリカではアスリート経験のないBornn氏のようにHarvard大学出身のアカデミックが現場で活躍しています。

海外と同じシステムを用いてスタッツやトラッキングデータを取得しているJリーグでは、取得した十分に活用しきれていないデータを活用できる人のニーズがあり、そのデータを使って研究が進められる私はラッキーであるとFernandez氏は話していました。

2/25マサチューセッツ工科大学(とその周辺)の見学

マサチューセッツ工科大学キャンパスとMIT Museum へ行きました。

MIT Museum では「BIG BANG DATA」展というディジタルエイジにおける文化、テクノロジー、社会の共通部分を考えさせる展示会が開かれており、データ解析を行う自分の活動を振り返る良い機会でした。

ソーシャルメディアによる個人情報の公開に関する展示やEdward Snowdenのインタビュー映像を大きなスクリーンで放送するなどとプライバシー問題について訴えかける一方、Nicholas Felton氏の展示作品のように積極的に自分に関する全てのデータの収集と分析を行っているのものもありました。

データの2面性を強調し、プライバシーとベネフィットのトレードオフを感じさせます。


また美しい ビジュアライゼーションがたくさんあり、前述のFelton氏の自己分析結果、数々の地球儀を使用した世界情勢の可視化、森林破壊を危惧するインタラクティブなプログラムが特に目立ちました。

↓Felton Annual Report(左)、展示会入り口(右上)、地球儀の展示(右下)

MIT SSAC 2018 報告会発表

日本スポーツアナリスト協会(JSAA)と丸の内スポーツラボが共同で運営したMIT SSSAC 2018 報告会にて20分程のプレゼン発表をさせていただきました。

新丸の内ビルディングで行われた報告会は約100人の方が来場してくださり、満員でした。

プレゼン発表は上手くいき、他数名の発表者がる中、自分が一番良かったと声をかけてくださる来場者もいて大変嬉しかったです。

報告会後に開催された懇親会では多くの方と話ができ、MIT SSACで学んだことを広げることができたと同時に日本のスポーツ界で行われている様々な取り組みについて詳しく知りました。

スポーツベンチャー起業家、メディア編集長、学生スポーツアナリストまで、たくさんの方とコネクションを築くことができました。

また後日にFINDERSという新しいウェブメディアからインタビューの受け、MITでの経験やスポーツアナリストとしての活動について記事を作っていただいたので渡航経験で得たものをさらにシェアできると期待しています。

振り返り

1週間の海外研修は非常に有意義な時間となりました。

アメリカのカンファレンスの規模の大きさを直に感じ、参加者と交流できて多くの刺激を体験することができたと思います。

また、ハッカソンや研究発表を通して、スポーツ解析の最先端を知ることができました。そのため、これからの活動(研究・蹴球部のスポーツデータ解析活動)は世界基準に到達するまでのビジョンを持って取り組めるようになりました。

帰国してからも、MIT SSACで多くの人に自分の経験を共有することができ、大学スポーツの解析をリードして、広げることできたと思います。

これから徐々に世界のスポーツ解析を引っ張れる中心人物になっていけるよう、海外研修の経験をいかして活動に取り組みます。

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