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スティーヴ・スワロウのエレベ変遷
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どうも、鯔を愛する男(@AtomHeartMullet)です!
みなさんカーラ・ブレイが大好きですよね!?
そんなカーラ・ブレイのそばにいつもいる
ベーシストのスティーヴ・スワロウについては
意外と知られていない?
出身は?
収入は??
使っているエレキベースの遍歴は???
調べてみました!!
Gibson EB-2
![ダウンロード (1)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30390897/picture_pc_9615ee038d57ad7164ce85aedd02fab6.jpg)
最初はセミホロウボディのベースから。エレベに転向したのはたしかジャック・ブルースの影響だったとインタビューで答えていた気がします。ウッドベースの代用品ではなくエレベでしかできないことをしようと考えた結果ピック弾きで、そのうち普通のピックではなくてメタルピックを使うようになります。その後はピックアップ換えたり、ピエゾブリッジにしたりと自分の音を求めてあれこれ改造を始めます。
タイガー大越がいた時代のゲイリー・バートンカルテットでこのベース使っている映像がYoutubeにあったのに、ゲイリー・バートン引退のどさくさにまぎれていつのまにか消されてました。ちなみにこの映像ではフラット弦を張っているようで後年のクリーンなトーンとは違ったブーミーなサウンドで、ソロ終わりにはオクターブ奏法で弦をかき鳴らしていたりと、いろいろと試行錯誤している様子がうかがえました。
しかしなんと最近、パット・メセニーがいる時代のゲイリー・バートンカルテットの動画がいくつかあがっていて、そこでこのベースを弾いている姿を確認することが出来ます。よかったですね!
この頃はまだオリジナルに近い状態。
Daily Motionのこれは本当によい動画。レア!
Fender Precision Bass
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知り合いに弾かせてもらったら気に入ってそのまま100ドルで買いとったプレベ。60年代の仕様だった気がします。すぐにフロントにHi-A(現バルトリーニ)のピックアップをつけたり、塗装をはがしてナチュラルフィニッシュにしたり、サーキットいれたりと70年代に皆やったおなじみの改造をしていきます。みんな大好き、アウトするハゲことジョンスコの最初期のトリオがこのベースですね。
このトリオ時代の『shinola』はパンクジャズですね!
プレベのネックにオリジナルボディの組み合わせ
![無題](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30392272/picture_pc_291980b3dc7e93b5bc0833d4801e2f7c.png?width=1200)
前述のプレベのネックに、工房としては最初期のF-bassの人にボディだけ作ってもらってがっちゃんこします。ピックアップはリアに1発とピエゾ。メタルピックなのでボディが削れまくってるのがわかります。
小曽根真がピアノのゲイリー・バートンカルテット、85年のモントルーフェスの時がこのベース。
F-bass
![無題2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30392422/picture_pc_aefba79a3066486bea0beff7d64480ca.png?width=1200)
気に入ったのか、F-bassに同じような形のボディでネックもふくめて新しく1本つくってもらいます。このベースからはずっとピエゾのみの仕様になります。
『very very simple』というタイトルでVHSにもなっている(テープ擦り切れるくらい見ました)、88年のカーラ・ブレイとのデュオは、まるでステージ上でセックスしてるかのように客そっちのけで二人の世界に浸っていますがこの時につかっていたのがこのベース。
バッキング時はトーンやや控えめに、3:46~のソロ前にノブをいじってピエゾらしいハイを出すようにしてローポジからハイポジまで上がっていってソロをとる姿、みなさんも一度は真似しましたよね!!
Parker
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30392902/picture_pc_7da4598bd0649d1856325e95bdfffbcf.jpg)
パーカーのギターでおなじみのこの形、実はもともとスティーヴ・スワロウのためにワンオフで作られたベースのものがオリジナルで、バランスや腕の置き場所など具合がよかったのか、そのままギターにも応用されることになったようです。
35inchぐらいのスーパーロングスケールでここからはHi-c仕様の5弦になります。ピエゾオンリー。ピック弾きなため弦間はかなり狭めのナロー仕様。このベースの後ろ側の画像はなかなかないんですが、ネックの裏は白く塗装されていたりします。とにかく変。そして映像をみた限りではめちゃくちゃ弦高が高いんですが、これは単純にメンテとかしてないだけな気もします。
カーラ・ブレイのビッグバンド時代やパット・メセニーとジョン・スコフィールドのコラボアルバム『I Can See Your House From Here』、それからとても人気の無いジョンスコのアコースティックアルバム『Quiet』も同様で90年代を通してこのベースの音はあちこちで聴くことができます。
後述のCitronはよりナチュラルでクリーンなトーンなんですが、このParkerでしか聴けない本人言うところの「リッチでダークなトーン」は唯一無二で、トーンを回しきったときの弦のザラつきまで聴こえるようなサウンドは個人的には一番好み。スティーヴ・スワロウというとこのベースの音を思い浮かべます。ちなみにスティーヴ・スワロウ自身の理想とする音はジム・ホールのロングトーンらしいですよ!
Citron Bass
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30393538/picture_pc_1c4939fe23790a0ce412ac9c387fe7ee.jpg?width=1200)
ハーヴィー・シトロン制作のCitron Bassを現在に至るまで愛用しています。
ホロウボディでPUはピエゾのみ、36inchスケールでHi-cの5弦、弦間はあいかわらずスーパーナロー仕様。カーラ・ブレイが『Fancy Chamber Music』で2000年に来日してすみだトリフォニーホールでやったときのベースもこのCitronでしたね!
ちなみにこの日、すみだトリフォニーホールへの入り口は建物の2Fでわかりづらく自分は間違えて1Fのホテルエントランスから入ってしまい、迷ってエレベーターホールでフロア案内図を見ていたら、到着したエレベーターから出てきたコンサート前のカーラ・ブレイ&スティーヴ・スワロウ両人と鉢合わせたことがあります。しかもコートのポケットには偶然にも『Fancy Chamber Music』のCDとサインペンが!
しかし驚きのあまり声をかけることすら出来ずに終わってしまって、あんなにTalking Headsの『Stop Making Sense』のビデオを見ていたのに「Once in a Lifetime」ということを理解できていなかった自分はこの先、一生誰からもサインを貰わないことを誓い現在に至ります。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30393554/picture_pc_399d4e7acbbf67a22efe79038e2923e6.jpg)
チェリーバースト、ピックガード付のナチュラルフィニッシュのモデルなど何本か似たような仕様のものを使った後、もう年取りすぎて立って弾く元気がなくなったのか、現在はストラップピンがなく上側のカッタウェイが短くボディの厚みが増したモデル(画像の一番右)を使用しています。年齢からいうとおそらくですがこれがラストモデルになりそうですね。
以上、いかがでしたか?
自らのサウンドを追及しベースにこだわりがあるだけでなく
『Ladies In Mercedes』や
ビル・エヴァンスに捧げた『Falling Grace』などのように
優れたソングライティングの持ち主でもあります。
こんなハードウェアだけ気にしているベースオタは
クソのやくにもたたないですね!
しのう!!
・2021.03.04 追記
消されたとおもっていた、タイガー大越在籍時のゲイリー・バートンカルテットの動画ありました。とてもよい。