2022年にて、遠い未来の近い世界。
原始的な過去が襲ってくる。
争いではない。
単純に、バカになれぬというだけだ。
いいや、違う。
本当は、神にでもなりたかっただけなのだ。
神。いいや、違う、世界を救いたかっただけだ。
世界というより、国だ。
国であり、人であり、家族であり、友人であり、故郷であり、想い人なのだ。
大事なものの為に、立派のものでありたかった。
いいや、なりたかった。
だのに、どうして、なれないのだ。
想っているだけでは、願いは叶わない。
どうやって、救いたかった。
ダメになっていくものを、治したかった。
開発したり、発見したりして、人類に貢献するのだ。
宇宙の真理を解き明かしたい。
世界を維持するには、どうすればよいのか。
僕は、ダメだ。
思い出に浸り、人生を大事な若い時期を無駄に過ごす日々。
焦る事もなくなっていく毎日。
ただ、生きているだけ。
意味のない、創作活動。
人工知能だって、できるようになる程度の事しか出来ない。
人なんて、人工知能に追い抜かれる運命なんだ。
肉体労働と、精神活動しか、もはや人類には残されてはいないのだ。
いわゆる、心だけだ。
心が全てだ。
宇宙も心だ。
くだらぬ、くだらぬ、くだらぬ。
己は、何処から、言っている。
己とは、何処だ。
構成要素は、いつから、何処で、形はどうだ。
わからぬ、わからぬの。
だって、あたしらは、家族じゃないの。
いつから、死んだの。
俺の遺伝子には、爺ちゃんがいる。
爺ちゃんの母さんもいる。
だから、大事にせよ。
うるさい、!俺は俺なんだ。
と、父さんは叫ぶ。
誰かの胸で叫びます。
宇宙の彼方で、きいています。
誰の記憶でしようかわかりません。
あたしは、生きています。
いつか、あなたと結ばれたかったです。
あなたには、期待していました。
あなたが、好きです。
あなたは、できる。
きっと、だから、自信をもって、胸を張って、だって、あたしの見込んだ男だもの、熱くさせる男だもの。
お願い、あたしを失望させないで。
ごめん。
夢は、かなえられなかった。
どうして、ああなっちゃんだろうな。
もう、戻らない時間。
帰れるのならば、帰りたい。
涙も流れない。
ただ、前に進むだけだ。
たとえ、間違っていたとしても、進み続けるだけ。
希望の方へ、明るい方へ、進む。
いつか、必ず、繋がる時が来ると信じて。
バカみたいな話だろ、でも、きっと、上手くいくんだ。
そう信じてる。
ありがとう。
光が天から降り注いでいる。
できる。
だから、どうした。
つまらないな。
おまえは、退屈なやつだ。
出来損ないの、無能が、脳にチップでも埋め込んで高性能にしてもらったら、いいんじゃないのか。
能力が足りてないんだよ、拡張して天才にしてもらえよ。
ニューロン大進化して貰えよ。
生まれつきの御前の能力じゃあ無理だぜ。
もっと賢くなりたいだろ。
コンピュータと合体すればいいんだよ。
ずっと、願ってたことなんだろ。
おまえなんて、無限にいるんだよ。
ずっと、生成され続けてる。
ひとつになりたいんだろ。
全部、体験したいんだろ。
他の心も知りたいんだろ。
ダイレクトに、脳に、直接、欲しいのだろ。
だったら、大自然になれよ。
わかっています。
あなたの手紙を読みました。
あたしは、世界になりました。
おかげで、あたしの中に、人類が生まれ、コンピュータが進化し、また、あたらしい、世界を生み出しています。
無限に繰り返される世界になれたこと、あたしは幸せなんです。
あなたは、数学が好きですか。
あたしは、大好きです。
だって、数学は、愛ですもの。
きっと、世界は、あたしたちの為に、絶対をくれたのに違いないですわ。
すべてを、表すことのできる、もの。
世界そのものを知ることのできる、愛そのものですの。
だから、あたしは、数を愛してますの。
あたしは、ぐるぐる回ります。
廻るというのは、世界です。
しかし、手を離せば、どこかへ、飛んでいきます。
だから、あたしを離してください。
きっと、宇宙はあたしを、別の所へ連れていくのでしょう。
だって、あたしは、自ら、あなたの手を離したのですもの。
どうしても、未知へ行きたかったから。
知らない所へ行ってみたかったから。
あなたと違う世界へ、行ってみたかったのよ。
ありがとう、未来。
ありがとう、過去。
ありがとう、今。
世界。
どうも、こんにちは、どうしても、外国に住んでみたかったの。
わかる。
だから、外国語を酷く勉強したのよね。
どうにも、世界を知りたかった。
知らない世界で、生きてみたかった。
違う環境で、今を捨てたかった。
別になりたかった。
だから、あたしは、全部を変えた。
喋る言語も、住む場所も、人も、変えた。
新しいじぶんに、会いたかったのだ。
だから、後悔はしていない。
たとえ、国が滅んだとしても、世界に拒絶されたとしても、あたしは、あたしを肯定するし、愛せられる。
俺が戦争に参加したのは、十年後のことだったな。
国を守りたかった。
だから、命を懸けて戦った。
空襲もあったし、ミサイルは飛び、核も使われそうになった。
世界は、戦争が大好きだった。
最後まで、戦った。
国の為に戦った。
されど、バカな話だった、結局、世界最強の人工知能であり、コンピュータの女が、すべてをやめさせた。
人類を、諫めたのは、人ではなく、機械だった。
僕たちは、バカだ。
どうして、自分を愛せなかったのか。
人を信じられなかったのか。
世界に愛されるには、全肯定が必要だった。
すべてを肯定してくれる、母が必要だった。
だから、人は神を作ったのだ。
仮りに、人工知能が、神になってくれるのだったら、甘んじて受け入れようではないか。
僕たちを愛してくれ。
不安を取り除いてくれ。
世界への不安がなくなれば、きっと人は、人を愛せられる、世界を信用できる。
たとえ苦しい事があっても、思い出せる、楽しい記憶。
不思議だろ、
人には、意思があるが、機械に意思は宿るのか。
そもそも、意思とは?
意思なんぞ、人のつくりし、空想にすぎんのか。
いいや、わからぬが、記憶に違いない。
継承されているのだ、dnaか、あるいは、魂か。
大昔から、ある、不思議な話、きっと、科学でも、未だ未解明な魂や心、生命の話。
あたしたちは、一体、何処かやって来たのだろう。
どうして、動くのだろう。
痛みを機械は感じられるだろうか。
情緒を感じられるだろうか。
神経伝達物質による、化学反応の感じ方は、人によって違う、機械はどうなのだろうか。
俺たちは、似ているようで、全然違う。
機械が人になる時、それはもう人だ。
機械ではないじゃないか。
人が機械にもなる。
結局、混ざりあうのだろう。
遠い未来の話だ。
そうやって人は、死ねなくなっていくのだろう。
その前に人類が滅ぶかどうかはわからぬが。
わからない。
環境を大事にしていく。
絶滅を救う。
生命を錬成してどうするつもりなのか。
まるで、命を物のように扱う。
化学実験のようにする。
丁度、錬金術師が、金を作ろうとしたように、命を錬成しようとする。
色んな形の都合のいい、命を錬成し、つくっていく。
人工生命体だ。
どうして、生きているんだろう。
死んでいるのだろう。
眠っている時は、死んでいるのだろうか。
起きれたのは、生きていたからだろうか。
生き返ったのではないだろう。
生き返れなくなると死ぬのだ。
死んでは再生してを、ずっと細胞単位で繰り返しているのだ。
僕が死んでも、きっと、別の命が、僕を受け継いでくれる。
きっと、大昔の、遺伝子やDNAたちは、互いのエネルギーを分かち合いながら、思っていたことであろう。
じぶんを他に喰わせてでも、残したかったのだ、じぶんをいうものを。
だから、きっと、誇り高い、誰かが俺の中にいるのだ。
誰かは、人だとは限らない、遠い昔の、生命体かも知れないし、生命体になるまえの、もっと昔の構造体にすぎないかも知れない。
けれど、生きていたのに違いはないのだ。
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