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【ニブセキの息子】休日の過ごし方。それが問題だ

療育も訪問リハビリも通院もない休みの日に、二分脊椎症の息子2歳と何をして過ごすか。これはこのご時世、そして猛暑でもある時期、けっこう難しい問題だ。ひとりでは歩けないが、体は動かしてもらいたい。一日に5回、カテーテルでおしっこを出す導尿のスケジュールもこなす必要がある。私たちも疲れたくないし、休息は取りたい。なかなか、妙案は見つからない。

選択肢その1 ドライブ

息子は車が大好きなので、ドライブに連れていくと喜んでくれる。車なので、感染的な意味でほかの人に気を使うこともないし、ドアツードアで行きたいところに行ける。

しかし、子どもを乗せながら長距離運転するのは意外に消耗する。それに、ずーっとチャイルドシートに座らせるのはかわいそうな感じがするし、体を動かさないことになるから単純に良くないと思ってしまう。だからといって短時間乗せるだけでは、残りの時間がひまになる。

選択肢その2 公園

外を存分に楽しんでもらうのはいいことだが、暑すぎる今の季節はなるべく避けたい。息子の場合は装具をつけているので、それだけで暑くなってしまう。それに、私たちも暑い。

また、遊ぶにしても、息子は行動範囲が限られるので、結局ベビーカーに乗せて散歩させたり、片手つなぎや手すりつたいに歩かせたりするくらいのもの。2歳では使える遊具も限られているので、先日などは突然、大通り側に引っ張られ、行き交う車のメーカーを一台一台、教えてくれるというエピソードもあった。

選択肢その3 子育て支援センター

車で10分くらいのところに自治体の子育て支援センターが2箇所ある。何度か活用させてもらったことがあり、障害の有無にかかわらず受け入れをしてもらえ、よくしてもらった。無料だし、室内は空調がきいていて快適だ。息子も遊び慣れていない遊具に大喜びの様子だ。

ネックは、利用時間が1時間程度と短いことだ。このご時世、受け入れ可能人数に限りがあることが要因。また、受け入れ想定を把握する必要があるからか、事前予約がなければ使えない支援センターもある。気軽に利用…というには、現時点ではハードルが高い。

妻の実家の近所にあるコミュニティセンターでは利用人数が少ないからか時間制限なく受け入れており、妻いわく実家に帰ったときの息子の貴重な暇つぶしチョイスになっているらしい。

選択肢その4 レジャー施設

休みのたびに行くのはお金が続かない。それに今の時期、暑いのは嫌。待つことも想定され、いつ、ぐずるか分からない息子が我慢できるか。そもそも2歳で楽しめるコンテンツなのか。遠出すぎて家族一同、疲労困憊にならないか。たまにはいいけれど、常には選びたくない選択肢だ。

選択肢5 家でゆっくり

車の番組を見たり、トミカで遊んだり、お絵描きをしたり、室内を歩かせたり。遊べるものはいろいろあるが、一日中これだけになるのは避けたい。息子にはやはり、刺激を受けてもらいたい。遊ぶおもちゃなどは変わっても、景色が変わらないのは息子には退屈なんじゃないかと思ってしまう。しかも、この選択肢だと夫婦で悪い意味で煮詰まるので、だいたい雰囲気が悪くなる。つまらないケンカでこの一日なんだったんだと悲しい気持ちになる。

選択肢6 ドラッグストアやスーパーの買い物に連れていく

スーパーは涼しいのがありがたい。カートに息子を乗せて買い物できるし、たくさんの商品は教育にも都合が良さそうで、実際に教えている。買い物は必要不可欠なので無理なく連れていけるが、そう何時間もいるわけではないので、つぶせる時間には限りがある。

我が家の場合

結局、我が家では「午前中は家でゆっくり。午後はすいているショッピングモールで食料品の買い物をしつつ、プレイルームで息子を遊ばせ、夕方から夜にかけてガラガラのフードコートで好きなご飯を食べて帰ってくる」というのが、最も典型的で、家族一同にとって幸福度の高い休みの日の過ごし方になる。

なによりも涼しいし、ドアツードアで家族一同、快適に過ごせるのは心地よい。それに、買い物は見るだけであっても息子は納豆や海苔、卵など知っている食材を見つけては喜んでくれるし、プレイルームでは知らない友だちと泣かずに遊んでくれる。先日はたまたま屋内で展示車フェアをしていたので、カタログをもらいハンドルを握った息子はめちゃくちゃ上機嫌だった。息子を刺激してくれるものは、案外、私たちが思わぬところにたくさんあるのではないだろうか。

育児の「べき」論を機械的に当てはめない

世間では、「そうは言っても外で遊ばせた方が良い」とか「親御さんは大変かもしれませんがもっと体を動かして…」みたいな言説も見たことがある。

でも、心身の健康に気を使わないといけないのは、子どもだけではないと思う。関わってきた子どもたちがこうだったからあなたたちの子どももこうでしょうという、ある意味で無責任なお偉いさんの子育て論に対しては、「それならあなた、やってみてください。ただしうちの子は一日5回の導尿と、昼と夜の別な装具の付け替えがあります。手を繋がないと歩けませんが、いっぱい遊んであげてくださいね」と伝えてみたくもなる。

…はっ、冷静さを失ってしまった。

子どもも一人ひとり違う人間

たまには無理をさせることはあっても、デイリーの心掛けとしては無理してほしくないしさせたくない。でも、日常の中で有意義な時間を過ごしてほしい。私たちとしても、楽しみたいが、休みたい。

結局、目の前の子ども、そして家庭の状況を踏まえて、何をするかを考えるしかないのかなと思う。当たり前だが、子どもも一人ひとり違う人間なのだ。

=写真はフードコートで食事後、展示車フェアでもらったカタログをうれしそうに指差す息子2歳。大きくなったらいくらでも買っていいからね。自分のお金で。頼むよ。



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