【ニブセキの息子】勇気というよりは、時間 ー息子が産まれるまで②ー
ーーー二分脊椎症、水頭症は、現れる症状に大きく個人差があるらしい。身体的には、一生を車いすで過ごす子もいれば、歩いたり走ったりできる子も。また、踏ん張るのが苦手で、排泄がうまくできずに、導尿と呼ばれる、カテーテルを膀胱に通して排泄する人もいるし、そうでない子も。知能の面でも発達に遅れがあったり、そうでなかったりするらしい。ーーー
そんなことを、ネットで調べたり、お医者さんから聞いたりした。でも、結局、どの程度のものなのかは、エコーやMRIで推定はできるけれど、最終的には生まれてみなければわからない。
というか、2歳の今も分からないことだらけだ。
それでも、病気の告知を受けてから、子どもが産まれるまでの3ヶ月という時間が与えた余裕は大きかった。生まれてきて初めて障害がわかるのと、前もって知っておけるのでは、まったく心構えが違うと思う。
あと、息子の場合は腰の部分に髄膜瘤というコブがあった。これは、出産してから速やかに埋め込まなければならないし、出産時も細心の注意を払って扱わなければならない部位だという。
そういう意味で、最初の病院で、産科の先生に早く気づいてもらえたのは、よかったと思う。
私たちはしばらく大学病院で診てもらったあと、さらに別な病院で帝王切開で出産する流れが決まっていた。そこは、この地方では小児医療の中心的な役割を担う病院。出産してからも、ワンストップで手厚く診てもらえるらしい。
初めて入った小児病院は、お城のようだった。子どもが嫌がらないように工夫されている感じだった。
ここでウチの子が産まれるのか…期待と不安、どちらかといえば不安をたくさん抱きながら、当日を待った。