【新聞社の仕事】新聞レイアウト、これはご法度
新聞レイアウトには、やってはいけないことがあります。この壁新聞を見てください。このためにわざわざ作ってみました。
桃太郎の鬼退治が新聞に載るならどんな感じかなと考えて適当に作った内容です。だいぶ脚色してありますが、それはご愛敬ということで。記事中に入る広告も、こんなんだったら面白いかなと想像を膨らませてみました。
さて、この新聞にはレイアウト上のルール違反が少なくとも二つあります。
① 泣き
トップの記事を読み進めると、桃の広告の手前まで続く原稿は、その下の段に続いていくようにも読めます。一方、祝日に関する記事も、下から2段目から同じように下の段に続いていくように読めます。つまり、1番下の段の最初の行が新しい段落で始まっているので、どちらの記事からも続いているように読めてしまうのです。
文脈で判断できるのでは…と思われるかもしれませんが、新聞は一通りの流れで読めないと、きわめて不親切。文脈で判断できないケースもあります。なので、これは「泣き」といって、やってはいけないこととして知られています。なんとかして、回避しなければなりません。
② 両流れ
船の住民の話を普通に読み進めると、戦い抜いた。で終わるはずです。次に、老夫婦の話を読み進めてください。最後の段で、あれっとなりませんでしたか?
流れて伝わらない…と読むと誤りで、流れてきたところを…と読むのが内容的には正しいです。でも、目の流れは二通りに流れてしまいます。「両流れ」といって、これも絶対に避けなければならないレイアウトです。この問題は、この2つの記事を仕切る罫線をうまくずらせば、回避できそうです。
新聞のレイアウトを、学校や広報紙などでやったことがある人の中には、同じ大きさの見出しが同じ高さにあること(上から4段目)が気になる人もいるかもしれません。あるいは、この紙面にはないですが、ハラキリと言って記事のかたまりが上下でスパッと分かれるのがだめだと聞いたことがある人もいるかもしれません。
でも、それらは昔よりうるさく言われなくなった、らしいです。諸先輩によれば。目の動きとか、見た目上の問題で、昔は今よりいろいろ言われることがあったようですが、今は読み迷わないレイアウトが重視されている感じ。ひとつひとつの記事を、かたまりを意識して配置するようになっているようです。どこの新聞も、少なくともハラキリは普通にやっています。
オールドメディアと呼ばれる新聞も、少しずつ変わってきているようです。もっと、変わってよいと思いますが。
さて、この壁新聞には日本語としておかしい部分があります。それはおいおい、触れていきたいと思います。