
I can't get no (job) satisfaction?
たまにオシャレな研究論文の発表を目にすることがあります。今回紹介する論文もそうですね。元ネタはThe Rolling Sonesの“[I Can't Get No] Satisfaction”です。
満足度
心理学のなかでも満足度というのは昔からよく研究されているテーマのひとつです。とはいえ,その「範囲」はさまざまです。人生全体に対する満足度は「人生満足度」,生活に対する満足度は「生活満足度」,仕事に対する満足度は「職業満足度」,大学に対しては「大学生活満足度」,他にも,「人間関係満足度」「夫婦関係満足度」「友人関係満足度」「親子関係満足度」などなど,さまざまな「満足度」が研究されているという印象があります。
教師の満足度
さらに,一口に仕事といっても,さまざまな仕事があります。学校で教える教師が仕事の中で抱く満足度は「教師の仕事満足度」と言ったらいいでしょうか。日本でも近年,教師という仕事のブラック職業化が話題になったりもしています。そのような中では,教師が満足度を抱いて仕事をすることも重要な問題になりそうです。
これまでの研究でも,教師の仕事満足度は授業の質の高さ,離職率の低さ,塩との定着率の高さ,さらに生徒たちの学習にも関連することが報告されているそうです。
キャリアパス
ところで,OECD(経済協力開発機構)に加盟する国々は38ヵ国あるそうですが,この国々では,平均44%の教師が少なくとも修士号の学位を持っているそうです。一方で,多くの国では現在,教員が不足していることも問題になっています。
どの国でも,教師がやりがいを持って仕事に取り組み,高い満足度を得ることは課題になっているようです。
今回紹介する研究は,13ヵ国におよぶ大規模なデータを用いて,教師の養成プログラムやキャリアと仕事上の満足度との関連を検討したものです。では,こちらの論文を見てみましょう(I can't get no (job) satisfaction? Differences in teachers' job satisfaction from a career pathways perspective)。
この論文のタイトルが,ローリング・ストーンズの曲から来ているというわけです。
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