レジャー活動をすると若く感じるようになる
近年,「主観的年齢」の研究が増えてきているようです。主観的年齢は,高齢になったときの自分自身と加齢プロセスに対する人々の認識を反映します。「自分はだいたい○歳くらい」という主観的な認識のことです。
両面
主観的年齢は,ポジティブな体験とネガティブな体験の両方に基づいて,自己認識されます。若さを感じる経験と,衰えを感じる経験は,ともに日常生活の中で人々が実感することです。
ポジティブな主観的年齢は,健康で成功した加齢の重要な指標です。実際に,主観的年齢は死亡率や寿命に関連し,心身の健康,認知機能,ウェルビーイング,健康行動,予防医療サービスの利用にも関連することが報告されています。
余暇活動
主観的年齢に影響する要因も数多く考えられます。しかし,日常生活の中で自主的に取り組む活動がうまくいくかどうかは,そのひとつの重要な要素だと考えられます。
身体活動,園芸,ボランティア活動,芸術・文化的活動,地域の活動など,余暇の活動は多様です。余暇の活動には感覚面,認知面,創造性,身体的な動作など,多くの要素を含みます。そしてこれらの活動は,個人の心身含めた多くの側面に影響するとも考えられます。
芸術的な活動はポジティブな感情を引き出して幸福感を高め,感情を調整することにも関連するとされます。グループ活動への参加は対人関係を促進し,共感や信頼感を醸成します。身体的な活動は自己効力感や自己管理能力を高め,脳活動にも良い影響を与えます。
主観的年齢と余暇活動
余暇活動がうまく行くと,「自分は若い」という認識を伸ばしそうです。しかし,「自分は若い」と認識するからこそ,余暇活動に積極的に参加するのかもしれません。因果関係はよくわからないのです。
そこで,追跡調査が行われている大規模な調査から,因果関係を推定することを試みた研究が行われています。こちらの論文を見てみましょう(Leisure Engagement and Self-Perceptions of Aging: Longitudinal Analysis of Concurrent and Lagged Relationships)。
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