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人びとは推奨される場所に移住するのか

割引あり

日本中の人びとの移住の様子を見ると,どんどん首都圏に向けて人々が集まってくる様子が見えてきます。東京圏の人口比率は,1990年代に日本全体の25%を超えて,現在では3割前後ではないでしょうか。



どこに住みたいか

ひとつの国内での移住の研究というのが,世界中でけっこうあります。ひとつの移住の要因は,家族がいる場所へと引っ越すというケースです。そして,現在家族のつながりがある場合には,そこから離れて別の土地に行くということに対してハードルが高くなります。移住者への調査からも,「家族や友人の近くに住みたい」と回答する傾向が強いことも示されています。

また国にもよりますが,民族的なネットワークも,国内の移住には大きな要因となります。社会的なネットワークが構成される場所で,できれば住みたいと考えるのも間違いではありません。

また,移住する先の「良い評判」「悪い評判」も,引っ越しをする際の決め手のひとつになります。地域の特性のあり方が,そこに引っ越して住むかどうかという際のポイントになってくるということです。

推奨

また,仲間や同僚,友人から「あそこがいいよ」と推奨されることも,引っ越す先の選定には重要な要素です。また,ネットで検索してその土地の情報を得ることも,みなが何気なく行うことです。

しかし,国内の移住の研究の中で,情報に注目されることはあまりないそうです。

ネット上の情報も重要ですが,「口コミ」は人々が重点を置く要素です。相撲と思う土地やその周辺,町や市の「口コミ情報」は,そこに引っ越そうとする人々にとっては,行動を左右する大きな要因ではないでしょうか。

スウェーデンの研究

ひとつの国の中での移住の様子や,居住地に対する満足度,また友人や知人にその土地をおすすめする程度などについて検討した,スウェーデンの研究があります。

大規模な調査データの分析から,どのようなことが示されているのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Place recommendations and migration)。

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