怖がる人の性格の特徴
恐怖症というのは,通常であればとくに問題がないような場面や対象に対して,強い恐れが生じてしまう症状のことを指します。高所恐怖とか,閉所恐怖とか,対人恐怖などはよく知られているのではないでしょうか。これらだけでなく,さまざまな恐怖症があることが知られています。
恐怖
特に,「特定の状況、環境、または対象に対して、非現実的で激しい不安や恐怖感が持続する状態」のことを,限局性恐怖症と呼ぶことがあります。
実に,ありとあらゆるものが恐怖症の対象となります。「血」「巨大なもの」「注射」「犬や猫など特定の動物」「飛行機」「電車」「尖ったもの」などなど。
パーソナリティ
どんな性格が恐怖症に関連するかと言えば,代表的なのは神経症傾向ですね。ビッグ・ファイブ・パーソナリティの中では,神経症傾向(neuroticism)は,不安や落ち込み,怒りなどネガティブな感情を抱きやすい傾向を特徴とします。
しかし,HEXACOモデルという,人間の性格全体を6つの次元で表現するモデルもあります。HEXACOモデルにも,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの神経症傾向に対応する情動性(Emotionality)という次元があります。しかしこれは,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの神経症傾向とおおよそ同じですが,完全に一致するというわけでもないようです。
恐怖症との関連を検討するときに,この神経症傾向と情動性との違いを考えることは大切かもしれません。そこで,両モデルと同時に調査して,恐怖症との関連を検討した研究が行われています。こちらの論文を見てみましょう(Phobic tendency within the Five-Factor and HEXACO models of personality structure)。
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