
どの都道府県の離婚率が高いのか
よくニュースで目にする「離婚率」は,次のような計算方法で算出されます。
◎ある年に離婚した件数と,婚姻した件数との比率
つまり,これまでにどれくらいの人が結婚して,どれくらいの人が離婚したのかを総数で見るのではなく,ある年にどれくらいの人が婚姻届を出して,どれくらいの人が離婚届を出したのかの比率になっているということです。
当然ながら,日本の人口は減少していますし,人口のボリュームゾーンは年齢尾が上の方になっていますので,この数値だと,これまでたくさんの人が結婚していてその中で同じ比率の人々が毎年離婚届を出したとしても,次第に結婚する人が少なくなっていけば,相対的に「離婚率は上昇していく」ことになります。
離婚率ランキング
以前,「トップは46%!「離婚率」47都道府県ランキング」という記事がありました。
離婚率の算出方法はわかった上で,
例えば今回、都道府県別に2018年の離婚届/婚姻届を計算した結果をお見せしますが、このデータ(厚生労働省「人口動態調査」を使用)からは「その都道府県からどの程度、夫婦数が減っていっているのか」がわかります。
と,都道府県別の「夫婦の減少率」という見方でこの数値を見ていこうとする試みです。
であれば「離婚率」という誤解を生みそうな名前ではなく「ある年の夫婦減少率」と名前をつけた方がよさそうですよね。だいたい30%から40%くらいの数値になりますので,100から引けば「その年における夫婦の増加率」と考えることができそうです。
1位は?
ちなみに,1位から5位を見ていくと……
1.高知県:46.15%
2.沖縄県:45.87%
3.和歌山県:44.54%
4.宮崎県:43.82%
5.北海道:43.51%
となります。
下位の5つを見てみると……
47.東京都:27.45%
46.石川県:29.59%
45.富山県:31.22%
44.滋賀県:31.92%
43.愛知県:32.35%
若者の比率は?
この割合って,単純に若者の人数比率が低いだけなのではないかと思って,別のサイトを探して各都道府県の20代と30代の人数比率を見てみました。
結婚する世代というのは10代終わりくらいから40代,50代で結婚する人も今はいますので,なかなか難しいところはあるのですが,とりあえず20代と30代の各都道府県の人口比率を算出して,先ほどの「離婚率」との相関係数を求めてみました。すると……
◎r = -0.54
という値になりました。やはり,なかなか関連は強そうです。実際,手でデータを入力していったのですが,全体的に若い年齢の比率が低い都道府県は「離婚率」も高く,若い年齢の比率が多い都道府県は「離婚率」が低いという実感も得ました。
ただし,相関係数は0.5程度ですので,研究としては「そこそこ高い関連」と言えるのですが,それだけで説明しきれない部分があるところもあると思います。たとえば沖縄県は若い世代の比率は少なくないのですが離婚率が高いとか,石川県は20−30代比率はそんなに低くないのに離婚率は低いとか。
まずは若者の比率を考慮した上で,そこから外れるケースについて考えていくことが重要なのだろうなと思ったのでした。
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