タバコを吸いすぎるレバノンの大学生の研究
世界保健機関(WHO)によると,喫煙によって,年間800万人以上が死亡していると推定されています。そのうち700万人はタバコの直接的な使用による死亡で,非喫煙者が副流煙にさらされることが死亡の原因だと推定される人数は約120万人だそうです。
日本では喫煙者は減少傾向にありますが,発展途上国では上昇傾向にあるようです。
依存性
最近の研究では,タバコに含まれるニコチンだけでなく,喫煙という行動そのものにも,依存を誘発する要素があると指摘されているそうです。いったん喫煙が習慣化されると,「やめよう」と思っても,なかなかやめることができなくなっていきます。
タバコの依存状態になりやすい人は,禁煙も困難である可能性が高くなります。ニコチンの離脱症状は重篤で,不安,抑うつ,集中力が困難などの状態に陥りやすく,禁煙を難しくします。
依存の背景
タバコへの依存の背景には,どのような要因があるのでしょうか。タバコへの依存度が強い人は,アルコールや大麻,コカインなど,他の物質も使用する傾向が強いと考えられています。
また,ビッグ・ファイブ・パーソナリティも背景要因として検討されています。自己制御や目標志向性を意味する勤勉性の高さは,喫煙とはマイナスの関連をとる傾向があります。また,外向性が喫煙に関連するという報告もたまに見られます。
さらに,経済的な余裕のなさも,喫煙に依存する傾向に関連すると考えられています。性別,年齢,学歴など社会人口統計学的な変数も関連する可能性があります。
レバノン
そこで,レバノンの若い成人期を対象として,さまざまな要因からタバコへの依存を検討した研究を見てみましょう。レバノンといえば,2020年の港で起きた大爆発事故が思い起こされます……。
少し異なる文化の結果を確認することで,どのようなことぐぁ言えるのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Personality traits and high cigarette dependence among university students: Insights from Lebanon)。
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