
高齢者たちのコロナパンデミックによる健康問題
2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック,皆さんはすっかり忘れてしまっているでしょうか?思い起こしても,なかなか経験できない時期を過ごしていたんだなと,ちょっと遠いことのように思えてきます。そのうち世代が変わって,忘れられていくのでしょうか。
精神的不健康
パンデミックの中で注目されたのが,社会的な様々な制限が精神的な不健康や不調に及ぼす影響です。国によって制限の程度も規模も大きく異なっていましたが,制限によって日常的な活動に支障が生じることは,精神的な問題につながっていたのでしょうか。
高齢者
特に高齢者は,日常生活の中で行動の制限があると,影響も大きそうです。実際に,パンデミックは高齢者たちの心身の不健康を助長したという報告もあります。
若い人々に比べても,高齢者たちは日常的な活動の低下に対して脆弱性が高く,問題が増幅されてしまう可能性があります。若い人々は,パンデミック下でもオンラインミーティングなど代替手段にスムーズに移行できたでしょうが,高齢者はその移行も難しく,より問題が深刻になった可能性があります。
大規模調査
ヨーロッパを中心とした大規模なデータの分析によって,パンデミック下の日常生活が高齢者たちの精神的な問題にどのように関連していたのかを検討した研究があります。
政府の行動制限と,歩行や買い物,社会的な活動の減少との関連,そして精神的な問題とはどのように関連したのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Do reductions of daily activities mediate the relationship between COVID-19 restrictions and mental ill-health among older persons in Europe?)。
ここから先は

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?