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孤独感の男女差はほとんどない

孤独感の定義って,何でしょうね。

たとえば,人びとが自分自身の社会的関係ネットワークが量的または質的に不足していると認識したときに生じる,不快な感覚のことを孤独感ということがあるそうです。ちょっとややこしい定義ですが,孤独感というのは,自分の社会的関係に何かが欠けていることを人びとに知らせ,重要な他者と再びつながるように動機づける,いわば警告システムのような役割を演じるとも考えられています。


孤独感の性差

男性と女性を比べると,どちらのほうが孤独感を抱きやすいのでしょうか。

これまでの研究を見ると,どうも女性に比べて男性のほうが孤独感が強いという研究が多いようです。でも,結果は一貫していないそうで,結論は下せない状況のようです。

また年齢によって孤独感の男女差が変わるのではないかという話もあります。青年期頃には,男性よりも女性の方が孤独感が強くなるという話があったりして,個別のケースと全体的な傾向が矛盾するような感じもあります。

では,実際はどうなのでしょうか。メタ分析を行うことで多くの研究を統合して,男女差を検討すると,結果はどうなるでしょうね。というわけで,このような検討を行ったこちらの論文を見てみましょう(Gender Differences in Loneliness across the Lifespan: A Meta–Analysis)。

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