肉を食べることの背景要因
「年を取ると肉を食べたほうがいい」という言説もあって,タンパク質を取って筋肉量を維持することが,高齢者のフレイル(虚弱)を防ぐためには重要だという意見もあるようで……
こんな言葉を聞くと,ついつい喜々として肉を食べてしまったり。
食肉消費
一方で,肉を消費することは,地球環境の問題でもあるのです。多くの研究者が,地球温暖化を抑制するためには,二酸化炭素排出量やメタンの排出量が少ない食事,つまり肉食を抑えて植物由来の食事への移行が必要だと指摘しているようです。
他には,肉を食べることは私たちの心身の健康にも関連しますし,生活の質も左右するという研究があるようです。また,畜産動物に対する倫理的に正しい扱い方についても,さまざまな議論が行われています。
健康な食事
日本で生活していても実感することではありますが,じゅうぶんに植物中心で健康な食生活を続けることは,なかなかお金がかかるものでもあります。20世紀を通じて,世界中で安い肉がどんどん提供されるようになり,世界中で食事が西洋化し,食肉消費量が上昇してきました。
チリの場合
ビッグ・ファイブ・パーソナリティと,動物に関する倫理的な意識は関連するのでしょうか。また,これらが食肉の消費にも関連するのでしょうか。南米のチリで行われた調査があります。
チリの食文化は,どのようなものなのでしょうか。ネットで検索すると,次のような記事がヒットしました。「チリ料理によく使われている食材はトウモロコシ、小麦、ジャガイモと豆類(インゲン豆など)です。」と書かれています。肉が中心なのかと思ったのですが,そういうわけでもなさそうです。
個人の価値観は食の選択に影響すると考えられます。南米の研究ですが,もしかしたら日本でも共通の要因が見出されるかもしれません。では,こちらの論文を見てみましょう(Personality traits and meat consumption: The mediating role of animal-related ethical concerns)。
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