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宗教が変わると性格が変わるのか
自分が信じている宗教を変える,という経験をする人は,特に現代の日本では少数派かもしれません。
しかし時には,宗教的な信念や行動が劇的に変化する人がいます。宗教団体から脱会する人もいれば,新たに宗教団体に加入する人もいます。このような変化の背景や,変化によって生じる結果にはどのようなものがあるのでしょうか。
改宗と脱宗教
改宗や宗教団体からの脱会は,さまざまな動機づけによって生じると考えられます。
たとえば改宗の理由としては,次のようなものが考えられます。
◎信仰を求めること
◎宗教をもつ家族との結婚
◎社会的支援を求めること
◎精神的な愛着のある人物を求めること
◎救世主を求めること
◎希望を求めること
宗教団体からの脱会の理由としては,次のようなことが考えられます。
◎信仰心の喪失
◎宗教組織に対する疑念
◎愛着の喪失
◎協会に対する批判
◎宗教団体の政策への不満
◎家族の宗教からの脱却
これらのように,多様な理由が考えられますので,社会的な変数,経済的な変数,心理的な変数なども考慮する必要がありそうです。
変化
改宗や宗教団体からの脱会で,どのような変化が生じるのでしょうか。
ひとつは,宗教的な転換後に幸福度が変化するのではないかという点です。他の宗教に転換することは,誤りからより正しい方向へと転換することを指しますので,より幸福感が上昇すると考えられます。
一方で,宗教を信じること自体,幸福感の高さに関連しますので,宗教から脱会することは幸福感が減少する可能性があります。しかし,宗教からの脱会した後に,心理的な適応が低下するという証拠は報告されていません。
また,パーソナリティ発達からすると,人生を通じて勤勉性や協調性が上昇することが知られています。このような人々の成熟への変化が,宗教的な転換を伴うということも考えられます。
オランダの研究
実際に,宗教的な変化と心理的な変化はどのように関連するのでしょうか。オランダの大規模な調査データを分析した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Psychological change before and after religious conversion and deconversion)。
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