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ついウソの報告をしてしまう人の性格
マキャベリアニズム,ナルシシズム,サイコパシー,そしてサディズムと言うダークなパーソナリティは,21世紀に入ってから多くの研究へとつながった性格特性のグループです。
不正や欺瞞
ダークなパーソナリティ特性群は,反社会的な行動や態度に関連しやすいことがこれまでにも示されてきています。とはいえ,常に詐欺的好意や欺瞞に満ちた行為に結びつくという訳でもありません。相関係数や効果量も劇的に高いわけではありませんから,目の前の個人が問題のある行動を行うかどうかを予測できるかというと,なかなかそうもいきません。
ですから,ダーク・トライアドやダーク・テトラッドの尺度を用いて,企業に入社する際にスクリーニングを行って得点が高い人を排除するような使い方をすると,実際にはまったく問題がない人びとの多くを排除することになってしまいます。もしもある個人が,「ダーク・テトラッドの得点が高いから入社できなかった」ということになると,予測力が必ずしも高くはないツールを使って「不可」の判定をしたことになります。もちろん性格検査だけで「不採用」の判定をする訳ではないにせよ,性格検査の結果が大きな影響を及ぼすような場合には,結果の無効を訴えられたときに,十分に反論できないように思います。
あくまでも性格に関する研究の結果は,ある集団と別の集団の違いを説明するような文脈なのであって,目の前の個人に適用することを考えるのは難しいと踏まえておくのが無難です。
不正直さ
とはいえ,集団の傾向を見たときには,ダークな性格は不正直さに関連するとは言えます。
ダークな性格は,欺瞞を伴う行動に関連するのでしょうか。また,ダークな性格を測定する心理尺度は,不正直さや欺瞞の指標として,どのくらい有効だと言えるのでしょうか。
こちらの論文を見てみましょう(Dark personality traits and deception, and the short dark tetrad (SD4) as integrity screening instrument)。
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