見出し画像

孤独感でパーキンソン症候群を予測できるのか

割引あり

近年,孤独感は世界的に取り上げられて問題視されている,個人の感覚です。孤独感とは,自分の望む社会的関係と,認識される社会的関係との不一致から生じる苦痛を伴う主観的感情として定義されるものです。


孤独の悪影響

孤独感がそれだけ取り上げられるのは,さまざまな悪影響が報告されているからです。

不健康なライフスタイルに関連していたり,うつ病など情緒的な問題に関連していたり,運動不足などにも関連していたり,ストレスの多さなどにも孤独感は関連すると言われています。

しかし,孤独感は,実際の心身の病気を予測することはできるのでしょうか。

パーキンソン病

今回紹介する研究は,孤独感によってその後15年間のパーキンソン病の発症を予測することを試みたものです。パーキンソン病というのは,次のような症状を伴う病気です。

振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(転びやすいこと)を主な運動症状とする病気で、50歳以上で起こることが多い病気です。まれに40歳以下で起こる方もあり、若年性パーキンソン病と呼んでいます。

映画俳優のマイケル・J・フォックスがパーキンソン病になったこともよく知られています。著書『ラッキーマン』を読んだのは,もう20年も前なのですね(amazonの購入履歴で知りました)……読んでとても感動したことを今でも覚えています。

では,この論文を見ていきましょう(Loneliness and Risk of Parkinson Disease)。

ここから先は

1,516字

PayPay
PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?