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問題のあるFacebook利用と関連する性格

もう最近,若い世代はFacebookを使わなくなっているとか……(私もあまり見なくなってしまっているのですが)。何と言っても,実名登録かつオープンですからね。リスクを考えて敬遠する気持ちも,分からなくありません。

とはいえ,世界の利用者を見ると,Facebookはまだまだ利用者は多く,およそ30億人がアカウントを持っているようです。

Facebook依存

毎日Facebookを使っていても,それが必ず何らかの悪影響となるわけではありません。問題のあるFacebookの利用の仕方というのは,親密な関係,仕事,学校,友人関係など,生活の様々な領域で困難を発生させる問題行動だとされています。Facebookを使いすぎたりFacebookが気になりすぎたりして,日常生活に問題が生じる状態のことです。また,不十分な気持ちや個人的な不安のかわりに,代償的な手段としてFacebookを利用することを代償的なFacebook利用と言います。

頻度の高いFacebookの利用は問題にはならないという意見がある一方で,頻度が多いことだけでも問題だと考える研究者もいます。

ビッグ・ファイブ・パーソナリティ

そして,さまざまなFacebookの利用方法について,ビッグ・ファイブ・パーソナリティに代表されるパーソナリティ特性との関連も検討されています。またメタ分析も行われており,問題があるFacebookの利用方法には神経症傾向と勤勉性が関連するということが報告されています。

しかし,Facebookの使い方について,問題のある使い方と補償的な使い方を分けてメタ分析で検討した研究はまだ行われていないそうです。そこで,この問題について検討したのがこちらの研究です。この論文を見てみましょう(The Big-five personality traits and their link to problematic and compensatory Facebook use: A systematic review and meta-analysis)。

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