薬物使用に関連するダークな性格たち

「レクリエーショナル・ドラッグ」と聞くと,どのようなものを思い浮かべるでしょうか。遊びや気晴らしとして,気軽にドラッグを使用することなのですが,合法なものも違法なものも,ここには含まれてきます。

気軽な薬物

たとえばカフェインは私もコーヒーをよく飲みますのでよくとるのですが,これもレクリエーショナル・ドラッグのひとつです。カフェインは,アメリカ人の約89%が定期的に摂取するという統計があるそうです。

アルコールもよく摂取されるレクリエーショナル・ドラッグです。これまた日本でも世界でも消費量は多く,一人当たり年間1リットル未満のアルコール消費を記録する国は,わずか27ヵ国しかないそうです。

タバコも,世界的に喫煙者は減少しているとは思うのですが,まだまだ多くの人々が摂取する薬物です。アメリカ合衆国では,毎日タバコを吸う人というのは,約15%なのだそうです。

他にも,大麻,コカイン,MDMA,アンフェタミン,アヘンなど,世界中で頻繁に人々が手に入れて使用する薬物は存在しています。そして,多くの国で違法になっているものや,大麻のように部分的・地域的に合法となっているもの,野放し状態になっているもの,新たに出てくるものなど,本当に様々な薬物が世の中に広まっています。

性格との関連

薬物の使用とパーソナリティ特性との関連も,古典的な研究テーマです。ただし,薬物を使うかどうかというのはセンシティブな問題ですので,調査しづらいですよね。そう言う意味で,データが手に入るというのは貴重なものになります。

特に,ダークな心理特性である,マキャベリアニズム,ナルシシズム,サイコパシー,これらに加えてサディズムは,薬物使用によく関連するとされるパーソナリティ特性です。マキャベリアニズム,ナルシシズム,サイコパシーの3つはダーク・トライアド,サディズムが加わるとダーク・テトラドと呼ばれます。

さらに,薬物というのは自分自身の身体を傷つけることにもつながりますので,もしかしたらサディズムの逆であるマゾヒズムも関連するかもしれません。このあたりの心理特性とレクリエーショナル・ドラッグとの関連を検討した研究がありますので,こちらの論文を見てみましょう(Motives Linking Subclinical Psychopathy and Benign Masochism to Recreational Drug use)。

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/00220426221145024

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