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自覚できないサイコパスを測定する

サイコパシー傾向というのは,犯罪や反社会的行動,暴力的行動と強く関連している,法医学的な心理学の観点からも重要な概念とされます。この傾向の中心には,他の人を無慈悲に無視すること,大胆で衝動的な態度をとること,また罪悪感や後悔することなく社会的な規範を逸脱することなどが挙げられます。

測定方法

このような,ちょっと逸脱するような心理学的な個人差傾向なのですが,それを測定しようとすると,質問紙法や面接法に頼るのが一般的です。要は,相手の「自己報告」に頼って測定するわけです。

すると,こんな疑問が沸いてきます。「本当に測定できるのだろうか?」です。

この疑問が浮かぶのはよくわかります。サイコパシー傾向が高いような人が,自分のことを本当に正直に「自分はサイコパシーが高い」と言うのだろうか,という疑問です。

ただし,実際には「あなたはサイコパスですか?」なんて尋ねることはありません。もっと具体的な行動や考え方を尋ねる中で,その回答が本当にサイコパシー傾向を測定しているのかを,他の指標との関連から明らかにしていきます。これが尺度の妥当性の検討というものですね。

潜在的な測定

でも,他のやり方で上手く測定できるなら,それに越したことはありません。たとえば,潜在連合検査(IAT;潜在連合テスト)です。これまでにも取り上げたことがあるのですが,カードを素速く分類するような方式で,ある概念と別の概念との結び付きを測定するやり方です。

この方法を使って,サイコパシー傾向を測定したらどうなるでしょうか。損なことを試みた研究があります。こちらの論文を見てみましょう(The implicit measurement of psychopathy)。

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