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大学時代の懐かしい感覚の変化

過去に対する感傷的な憧れや,切なさを抱く感情のことを「ノスタルジア(nostalgia)」といいます。日本語だと,郷愁とか望郷とか,そんな言葉で表されるでしょうか。そして,心理学でノスタルジアはよく研究されています。

ノスタルジアを感じるときというのは,過去の意味のある出来事を思い出すときであることが多いと言えます。誕生日や卒業式や記念日など自分自身にとって重要な出来事を思い出しますので,自己に関連した感情であるとも言えます。また,重要な他者のことを思い出すことも多いので,社会的な感情であるとも言えます。

加えて,ノスタルジアの内容というのは,ビターな感覚も伴うかもしれませんが温かさや満足感など,おおよそネガティブよりもポジティブな感情を伴いますので,比較的よい体験だとも言えます。

状態か特性か

心理学的な特徴について考えるときよくある枠組みは,「状態か特性か」です。一時的でその場だけの感情であれば「状態」ですし,その感情を頻繁に体験していて,よく体験する人とあまり体験しない人がいて,それが時間的を超えて安定していることが仮定されると「特性」とされます。まあ,どこが境目なのかと言われると困ってしまうのですが……。

年齢に伴う変化

ノスタルジアを特性として考えると,これを性格のようなものとして捉えることもできるようになります。となると,人生を通じて安定しているのかとか,どのように人生を通じて変化していくのか,といったことが検討できそうです。では,実際どうなのでしょうね。こちらの論文を見てみましょう(Trajectory of Nostalgia in Emerging Adulthood)。

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