
日本と世界の出生率について
日本の出生率の低下については,もはや回復させ得ることも難しい状況になってきていますね。
晩婚化
ひとつの要因は晩婚化だと言われています。21世紀に入ってからも,以前は平均して2人目が生まれていた母親の年齢が,今では1人目を生む年齢になっているという指摘です。
妻の平均初婚年齢は、1980年25.2歳、1994年26.2歳、2006年28.2歳、2019年度29.6歳と上昇傾向にあり、晩婚化が進んでいる。母の出生時平均年齢も上昇傾向にあり、2003年に第2子が30.7歳であったが、2015年には第1子が30.7歳と、12年間で1人分の差が生じている。2015年以降は第1子が30.7歳と横ばい。父母が結婚生活に入ってから出生までの平均期間は第1子および第2子はともに長くなり、第3子は6年台後半で推移している。
韓国も
日本よりも合計特殊出生率が低い国は,予想よりも数多くあるのですが,そのうちのひとつがお隣の韓国です。
日本,韓国,北朝鮮の合計特殊出生率をGoogleに描いてもらいました。日本以上に急激に低下してきた様子が分かります。
韓国の合計特殊出生率の低下の要因としては,
◎第二子以降を産む家庭の減少
◎出産年齢の高齢化
◎婚姻件数そのものの減少
と,複数の要因が絡み合っていることが指摘されています。
子どもが減少してくるとよく見られるのが,男の子を産もうとする家庭の増加です。しかし,韓国ではすでに男児選好の傾向は見られなくなってきているようです。
「男児選好の思想」は徐々に姿を消している。女児100人当たりの男児数で計算する出生性比は104.8で、1年前より0.7減少した。統計庁は103~107を正常範囲と見ている。特定の性別に対する選好なしに自然に子どもを出産した時に現れる性比を言う。特に、長いあいだ性比の不均衡が激しかった第3子以上の出生性比は106.6だった。第1子(104.8)と第2子(104.7)に比べるとやや高いが、依然として正常水準に属している。第3子以上の出生性別比は、2000年143.6→2005年128.3→2010年110.9で次第に減り、2014年(106.7)ごろから正常範囲に入った。
男児の選好は「家」「血筋」といった思考に結びついています。韓国ではそでに,そのような考え方がなくなってきていると言えるでしょうか。
日本でも私の親くらいの世代だと,子どもができるとすぐに「男の子?」と尋ねてきていました。社会の変化とともに,性別に対する意識も変化してくるひとつの例であるかもしれません。
世界中で
さらに,少子化は世界中で進行しています。いまや人口爆発が起きている地域はアフリカくらいで,その時期が過ぎれば急速に少子化へと進んでいくと予想されています。
そして,21世紀は人類全体が高齢化していく時代へと入っていきます。
高齢者人口と高齢化率の推移を見ると、2020年は7億2760万6000人(9.3%)ですでに世界の11人に1人は高齢者だが、2050年には15億4885万2000人(15.9%)で、6人に1人が該当するようになる。2080年には2020年の3倍にあたる21億5490万8000人(20.2%)となり、「20%」台に突入。2100年は22.6%で、24億5666万3000人となる。
こうした変化は少しずつ進行していきますので,なかなかすぐには気づきにくい面もあると思うのですよね。しかし,世の中全体を捉えるときには,こういった全体的な動きを少し気にしておきたいものです。
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