あと10年で消えてなくなる仕事の話
AIが発展すると消える仕事,というのがずいぶん前から話題になっています。
たとえばこの記事です。『オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」』では,30種類以上の仕事が,今後なくなる確率が90%以上だと書かれています。
消える仕事の受け止め方
この話題ですが,受け止め方に温度差があるように思います。たしかにこのリストに載っている仕事をしている人にとっては,これは切実な問題です。その一方で,企業で働く人たちにとっては,そんなに大きな問題に思えないのではないか,とも思うのです。
職務の流動性
そこには,日本の働き方の特徴もかかわっているのではないでしょうか。
日本の雇用システムは「メンバーシップ型」とも言われ,何をするかよりも「どこで働くか」に重点が置かれています。
もちろん必ずそうだというわけではないのですが,仕事の内容は会社の中でどんどん変わっていく傾向がありますので,もしもその業務がコンピュータに置き換わるのであれば,会社の中で別のことをすれば良い,と言えるのではないでしょうか。
ジョブ型
その一方で,職務を中心に考える仕事の捉え方をする場合には,その仕事がなくなることは死活問題です。それが海外での仕事の考え方で,「ジョブ型」の雇用形態と呼ばれます。
海外では,営業なら営業,経理なら経理,管理なら管理として会社を移っていき,ひとつの会社の中で仕事を変えていくことは比較的少ないようです。そうなると「もう経理はいらない」となれば,その職務を専門にしている人たちは困ってしまいます。
大学教員や研究者のような職は,この「ジョブ型」にあたります。もしも,もうコンピュータに任せるから研究者なんかいらない,ということになれば,私も困ってしまいます。その専門性を高めてきたのにそれを活かすことができなくなってしまうからです。
変化は緩やかに
たぶん,何かの仕事がなくなっていくにしても,急激にいきなりなくなることはないと思うのですよね。
おそらく,新しくその仕事を始める人が減り,だんだん少なくなり,いつの間にかなくなっているのだろうと予想します。
ちなみに,さっき紹介した記事は2014年の記事です。「あと10年で消えてなくなる仕事」のはずなのですが,果たしてあと数年で急になくなってしまうのでしょうか......。
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