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性格と生活上の結果との関連
パーソナリティ特性は,さまざまな生活上のアウトカムに関連することが報告されています。
◎学業成績
◎社会経済的な結果
◎人間関係の質
◎心身の健康
◎政治的指向性
◎環境への配慮
文化的な再現性
パーソナリティ特性とさまざまな変数との関連は,再現されるのでしょうか。実は,パーソナリティ心理学の研究知見は,論文間で意外と再現性が高いことも知られているのです。欧米のサンプルから得られたパーソナリティ特性と各種のアウトカムとの関連の87%が,アメリカにおける大規模な成人サンプルでも再現されることを報告した論文もあります。
ただし,もとの関連よりも弱い関連しか再現されないという研究があるのも確かです。このあたりは,多くの毛kん級をおこなった上で,メタ分析で統合することに意義があります。
ドメイン・ファセット・ニュアンス
パーソナリティ特性からアウトカムを予測する場合,どの程度の細かさ(粒度)で予測するかという問題があります。
パーソナリティ特性の場合,ビッグ・ファイブ・パーソナリティやHEXACOといった5つ,6つのレベルは「ドメイン」と呼ばれます。ビッグ・ファイブ・パーソナリティの5つの特性それぞれの下には,「ファセット」と呼ばれる複数のまとまりが存在します。そして,項目のレベルは「ニュアンス」と呼ばれます。
これは,数学のテスト(ドメインレベル),計算問題や図形の問題など部分点(ファセット),核問題の正解不正解(ニュアンス)と置き換えることができます。ドメインが高くても,全てのファセットが高くなるとは限りません。そして,ドメインレベルが予測するアウトカムもあれば,ファセットがうまく予測するアウトカムも存在します。
ファセットよりもさらに細かい特性であるニュアンスレベルが,アウトカムをうまく予測する可能性もあります。
言語差
今回紹介する研究では,英語話者,ロシア語話者,中国語話者の間で,パーソナリティ特性と各種のアウトカムとの関連が異なるのかどうか,またドメインレベル,ファセットレベル,ニュアンスレベルで予測の仕方が変わるのかについても検討しています。どのような結果が報告されているのでしょうか。
こちらの論文を見てみましょう(The ways of the world? Cross-sample replicability of personality trait-life outcome associations)。
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