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外向的な大学生は大学に所属している感覚を抱きやすい

割引あり

「自分が何かに所属している」という感覚は,多くのメリットをもたらすようです。生徒たちや学生たちにとっては,「自分はこの学校(大学)に所属していて,一員である」と感じるだけで,成績も向上するとか。たしかに,仕事でもそういう一面はあるかもしれません。


所属意識

所属することというのは,自分とある環境との適合性の質に関する手がかり,出来事,経験,関係性から導き出される推論だとされます。これは,「受け入れられている」「含まれている」「尊重されている」といった感覚として実感されるものです。このような実感を得ようとする,所属への欲求(need to belong)は,広く人間の基本的な欲求であり,行動を引き起こす原動力であり,この欲求が満たされた時には多くの利益をもたらします。

教育環境においても,所属しているという感覚は,学生たちに多くの利益をもたらします。たとえば,自分が大学に所属しているという感覚を強く持つ学生は,学業に対する自己効力感が高く,内発的に動機づけられる傾向があり,学業に関する課題に価値を認識する傾向があります。さらに,中途退学を考える可能性も低くなるという研究結果があるそうです。

パーソナリティ

ビッグ・ファイブ・パーソナリティは,人間のパーソナリティの構造を5つの次元から捉える試みです。

◎外向性:活発で社交的で刺激を求める
◎神経症傾向:不安や抑うつ,怒りなど否定的感情を抱きやすい
◎協調性:他者を信頼し,友好的で受容的
◎勤勉性:自分をコントロールし,目標を達成しようとする
◎開放性:活発な創造性や芸術・学問への関心

大学生という立場は,行動の自由度が大きくなり,自立した活動の中で「自分はこの大学に所属している」という感覚を抱くと考えられます。このような自由度の高い活動の中では個人差が大きくなり,パーソナリティもそこに関連してくる可能性が考えられます。

また,ビッグ・ファイブ・パーソナリティは,大学生の成績や友人関係や社会的活動に関連することも示されていますので,大学への所属意識にもさまざまな活動を介して影響する可能性があります。


縦断的研究

大学入学時とその後の状況についても調査を行った,縦断的な調査の中から,ビッグ・ファイブ・パーソナリティと大学への所属意識との関連を検討したら,どのようなことがわかるでしょうか。

こちらの論文を見てみましょう(Who feels like they belong? Personality and belonging in college)。

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