心理尺度構成のステップ(1)項目の作成
今回はある論文に載っていた,心理尺度構成のステップについて見てみましょう。
心理学(だけではなく他の学問でも)では,直接的に測定することができない構成概念を測定するために,尺度(質問と選択肢のセット)が使用されます。尺度は通常,単一の変数や項目で捉えることができないような,行動や感情,個人内部の傾向を捉えることを目的として作成されます。複数の質問項目を用いて構成概念を測定することで,各項目の誤差を相殺して,より正確な研究結果を導くことができるとされています。
尺度のつくり方
新しい構成概念について研究を行うときには,新しい尺度が必要となります。しかし,尺度開発の方法というのは,明白で簡単な手続きで進むようなものではありません。
尺度開発には多くのステップがあって,コストがかかります。また,論文に明確に書かれていない手続きも多く,それぞれのやり方とも言える暗黙の作業のようなことも,多々あるように思います。
9つのステップ
今回紹介する論文では,尺度構成の9つのステップというものが紹介されています。
1.領域の特定と項目の作成
2.内容的妥当性の検討
3.プレテスト
4.サンプリングと調査実施
5.項目の削減
6.潜在的要因の抽出
7.次元性のテスト
8.信頼性のテスト
9.妥当性のテスト
それぞれ,どんな内容になっているのかを簡単に見ていきましょうか。参考にしているのはこちらの論文です(Best Practices for Developing and Validating Scales for Health, Social, and Behavioral Research: A Primer)。
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