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いちばんつき合いたくないタイプの人
「好かれる人って,どんな性格をしているのですか」という質問は,授業の質問の中でもよく出てくる疑問です。とはいえ,こんな質問をされても「うーん,人によっても違うだろうし,なかなか一概に言うことはできないのでは……」というのが答えになってしまうでしょうね。
性格と好き嫌い
とはいえ,調べてみないとわかりません。では,多くの人が「好きな人」に対してどんなイメージをもっているかを調べてみたらどうなるでしょうか。加えて,こういう場合には比較が重要です。つまり,好きな人のイメージを嫌いな人のイメージと比較するということです。
このあたりのことを押さえておけば,大学の卒業研究なんかでも十分に検討できる研究テーマになるでしょうね。
実際は?
では実際はどうなのでしょうか。どんな人が好かれて,どんな人が嫌われるのでしょうね。今回紹介する論文では,HEXACOモデルに従って記述を整理することを試みています。
HEXACOモデルについては,この内容を押さえておきましょう。
・H: Honesty-Humility(正直さ—謙虚さ)
・E: Emotional Stability(情緒安定性)…神経症傾向の逆でBig Fiveとおおよそ同じですが,内容の一部がH因子に入るため完全に同一ではないようです。
・X: eXtraversion(外向性)…Big Fiveの外向性とほぼ同じ
・A: Agreeableness(協調性・調和性)…Big Fiveの協調性と大体同じですが,部分的にH因子に内容が吸収されているため全く同じではありません。
・C: Conscientiousness(勤勉性・誠実性)…Big Fiveの勤勉性とほぼ同じ
・O: Openness to Experience(開放性)…Big Fiveの開放性とほぼ同じ
では,こちらの論文で結果を確認しましょう(Three nightmare traits (TNT) and the similarity effect determine which personality traits we like and dislike)。
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