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見知らぬものは食べたくない人の性格

見知らぬ場所に旅行に行って,見たこともない食べ物が目の前に出された時,あなたはそれを口にするほうでしょうか?それとも「やめておこう」と躊躇する方でしょうか。

新しい食べ物に対してどのような態度をとるのか,ここには大きな個人差があるようです。


食物

人類がアフリカから出て世界中へと広がっていく時,それぞれの地域で資源は限られていました。資源が限られていた時代には,人類は見慣れない動植物をとって新たな食糧源としていました。新しい食べ物を求める傾向を,フード・ネオフィリア(food neophilia)といいます。

一方で,新しい食べ物を試すことは,生命を脅かす毒物を摂取するリスクを高めます。新しい食べ物を目の前にして躊躇するということも理解できることです。新しい食べ物を避けようとすることは,フード・ネオフォビア(food neophobia)といいます。

食物新奇症(food neophilia)と食物新奇性恐怖(food neophobia)の対立は,「雑食動物のジレンマ」とも表現されるようです。この相反する力のバランスをとることは,我々人類が生存するためには大きく役立ってきたはずです。

食物新奇性恐怖

食物新奇性恐怖は,新しい食物を食べたがらないことや避けることを指します。これまでの研究でも,食物新奇性恐怖やその周辺概念を測定するいくつかの尺度が開発されてきています。

新しい食物を避けようとする食物恐怖は,1次元の尺度として開発されましたが,2つの因子で構成されるという結果も報告されているようです。

◎新しい食品への関心
◎未知の食品を試すことへの懸念

これらの因子は,食べ物へ接近しようとする動機と,回避しようとする動機と言えそうです。もちろん,新しい食品への関心は,逆転項目でしょうね。しかしこれら両者には重複する部分があり,1つの因子で測定することが適切だという議論も続いているようです。

性格

食物新奇性恐怖は,性格(パーソナリティ)に関連するのでしょうか。外向性,神経症傾向,協調性,勤勉性,開放性の5つの特性からなる,ビッグ・ファイブ・パーソナリティは,新しい食物を避けようとする傾向に関連するのかどうか,内容を見てもいくつかの関連が予想できそうです。

特に新しい考え方や経験を受け入れる傾向である開放性は,食物新奇性恐怖の低さと関連しそうです。

実際に両者の関連を検討した研究がありますので,結果を確認しましょう。こちらの論文を見てみましょう(Food neophobia and the Five Factor Model of personality)。

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